悪女と罵られたので退場させていただきます!
2.皇帝陛下からの褒美
『皇帝陛下からの使者ですか?』
『そうだ。今日、来るので支度をしなさい』
『は? え? あ、あの……。お父様。それはどういう……』
『……褒美の件でくるんだ』
お父様はそれだけ言うと黙ってしまいました。
使者は、陛下からの褒美を伝えに来られるというのは分かりましたが。
褒美……一体何でしょう。
爵位に関しては既に公爵です。貴族としては最上位。陞爵はまずないでしょう。新たに爵位を与えられることも考えにくいです。何しろ、お父様の子供は私一人ですしね。ヴァレリー公爵に私以外の子供がいれば話しは別でしょうが。かといって領地は……これ以上広がっても困るというものです。なら国宝級の魔道具かしら。それとも、ドレス?宝飾品?……ダメです。まったく見当がつきません。何でしょう。胸騒ぎがします。
皇帝陛下の使者が屋敷を訪れたのは、それから三日後のことでした。
私の胸騒ぎは的中したのです。
『お喜びください。ヴァレリー公爵令嬢。皇帝陛下より、新たな婚約者が決定いたしました』
また!?
心の中で叫んでしまったわ。声に出さなかった私を誰か褒めて欲しい。だって……。
よりにもよって褒美が婚約者!
もうこれは褒美というよりも何かの罰でしょうに。
お父様を思わず睨みつけてしまいました。
お父様もこちらを見て、気まずそうに顔を背けます。
これは知っていたのでしょうね。
陛下とお父様との間で話し合われた可能性は高いです。
誰よ!
相手は!!
無意識に身構えてしまったわ。
仕方がないでしょう!
これまでの相手はアレな男性ばかり。
お父様といい、陛下といい、碌な相手を紹介しないんですもの!
今回も例外ではないはず……。
『皇帝陛下は、ヴァレリー公爵令嬢に、皇太子殿下との婚姻をご希望です。ぜひ、皇太子妃にと。おめでとうございます。公爵令嬢』
………………。
皇太子妃? 皇太子……それは、つまり……陛下の御孫様と?
告げられた言葉を理解しようとしましたが、頭が拒否しているようです。
とりあえず、返事だけはしないと。
『身に余る光栄でございます。皇帝陛下のご期待に沿えるように努力いたします』
なんとか答えることができました。
というよりもそれ以外に言える言葉がなかったともいえますが。
使者は満足そうに頷きました。
『皇帝陛下もお喜びになるでしょう。それでは私はこれで失礼いたします』
『ご苦労であった』
お父様が使者を見送ります。
頭の中が真っ白のままの私は、ただそのやり取りを見ていることしかできませんでした。
『ブランシュ、これから忙しくなるぞ』
お父様が私に優しく語りかけます。
なにが? 皇太子妃になるのが大変なのは分かりますが。
そんな生易しいものではないでしょうに。
『……はい』
私は力なく頷くことしかできませんでした。
皇帝陛下の執務室に到着すると、扉の前に立っていた護衛兵が敬礼をして出迎えてくれました。
私が頷くと、護衛兵は扉を開きました。
部屋の中には、皇帝陛下とお父様がいらっしゃいます。
『そろったな』
陛下の言葉を皮切りに、私の結婚についての話し合いが始まりました。
私が皇太子妃になることは既に決まっていますが、皇太子殿下の後宮には多くの側妃が存在してるそうです。
側妃の中には他国の王女もいるそうで、帝国の高位貴族の令嬢も妃として後宮入りしていると聞きました。
私の個人的な意見ですが、後宮にいる妃の中から正妃を決めた方が角が立たなくて良いように思うのですが。
ただ、陛下はそう思っていないようで。
お父様も陛下に同調なさっているので、彼女達から正妃を選定するというのは何か問題があるのかもしれません。貴族のパワーバランスでしょうか?
何はともあれ、一ヶ月後に後宮入りする旨を告げられました。
輿入れの準備は一ヶ月もあれば十分だそうです。
結婚式は三年後に行うと。
順番が逆ですが、こういうことは帝国ではよくあることらしいのです。
歴代の皇帝の中には正妃の存在が居ないということもありますし、深くは突っ込まないことにしました。
一ヶ月後、私は皇太子妃として輿入れすることになりました。
『そうだ。今日、来るので支度をしなさい』
『は? え? あ、あの……。お父様。それはどういう……』
『……褒美の件でくるんだ』
お父様はそれだけ言うと黙ってしまいました。
使者は、陛下からの褒美を伝えに来られるというのは分かりましたが。
褒美……一体何でしょう。
爵位に関しては既に公爵です。貴族としては最上位。陞爵はまずないでしょう。新たに爵位を与えられることも考えにくいです。何しろ、お父様の子供は私一人ですしね。ヴァレリー公爵に私以外の子供がいれば話しは別でしょうが。かといって領地は……これ以上広がっても困るというものです。なら国宝級の魔道具かしら。それとも、ドレス?宝飾品?……ダメです。まったく見当がつきません。何でしょう。胸騒ぎがします。
皇帝陛下の使者が屋敷を訪れたのは、それから三日後のことでした。
私の胸騒ぎは的中したのです。
『お喜びください。ヴァレリー公爵令嬢。皇帝陛下より、新たな婚約者が決定いたしました』
また!?
心の中で叫んでしまったわ。声に出さなかった私を誰か褒めて欲しい。だって……。
よりにもよって褒美が婚約者!
もうこれは褒美というよりも何かの罰でしょうに。
お父様を思わず睨みつけてしまいました。
お父様もこちらを見て、気まずそうに顔を背けます。
これは知っていたのでしょうね。
陛下とお父様との間で話し合われた可能性は高いです。
誰よ!
相手は!!
無意識に身構えてしまったわ。
仕方がないでしょう!
これまでの相手はアレな男性ばかり。
お父様といい、陛下といい、碌な相手を紹介しないんですもの!
今回も例外ではないはず……。
『皇帝陛下は、ヴァレリー公爵令嬢に、皇太子殿下との婚姻をご希望です。ぜひ、皇太子妃にと。おめでとうございます。公爵令嬢』
………………。
皇太子妃? 皇太子……それは、つまり……陛下の御孫様と?
告げられた言葉を理解しようとしましたが、頭が拒否しているようです。
とりあえず、返事だけはしないと。
『身に余る光栄でございます。皇帝陛下のご期待に沿えるように努力いたします』
なんとか答えることができました。
というよりもそれ以外に言える言葉がなかったともいえますが。
使者は満足そうに頷きました。
『皇帝陛下もお喜びになるでしょう。それでは私はこれで失礼いたします』
『ご苦労であった』
お父様が使者を見送ります。
頭の中が真っ白のままの私は、ただそのやり取りを見ていることしかできませんでした。
『ブランシュ、これから忙しくなるぞ』
お父様が私に優しく語りかけます。
なにが? 皇太子妃になるのが大変なのは分かりますが。
そんな生易しいものではないでしょうに。
『……はい』
私は力なく頷くことしかできませんでした。
皇帝陛下の執務室に到着すると、扉の前に立っていた護衛兵が敬礼をして出迎えてくれました。
私が頷くと、護衛兵は扉を開きました。
部屋の中には、皇帝陛下とお父様がいらっしゃいます。
『そろったな』
陛下の言葉を皮切りに、私の結婚についての話し合いが始まりました。
私が皇太子妃になることは既に決まっていますが、皇太子殿下の後宮には多くの側妃が存在してるそうです。
側妃の中には他国の王女もいるそうで、帝国の高位貴族の令嬢も妃として後宮入りしていると聞きました。
私の個人的な意見ですが、後宮にいる妃の中から正妃を決めた方が角が立たなくて良いように思うのですが。
ただ、陛下はそう思っていないようで。
お父様も陛下に同調なさっているので、彼女達から正妃を選定するというのは何か問題があるのかもしれません。貴族のパワーバランスでしょうか?
何はともあれ、一ヶ月後に後宮入りする旨を告げられました。
輿入れの準備は一ヶ月もあれば十分だそうです。
結婚式は三年後に行うと。
順番が逆ですが、こういうことは帝国ではよくあることらしいのです。
歴代の皇帝の中には正妃の存在が居ないということもありますし、深くは突っ込まないことにしました。
一ヶ月後、私は皇太子妃として輿入れすることになりました。