悪女と罵られたので退場させていただきます!
9.皇太子side
どうやって自室に戻ってきたのか分からない。
気が付いたら寝室のベッドにいた。
「私は一体……」
寝室の天井を見ながら呟く。
ダメだ。
思い出そうとしても靄がかかったみたいに記憶があやふやだった。
ブランシュとの会話をしていて……。
ああ、そうだ。
あれだ。
あの話題を出されたせいだ。
「……夜伽か」
彼女からその話題を出された時、私はどう反応すれば良かったのだろうか。
「分からないな」
ブランシュの事は嫌いではない。
寧ろ好意的に見ている。
しかし、それはあくまで友人としての感情であって男女の関係になりたいという感情ではない。
もっとも彼女からしても、私の寵愛を欲しがっているわけではない。正妃として「世継ぎをどうするのか」ということを具体的に聞きたかっただけだ。それは会話の節々から感じ取ることが出来た。それについては安堵したが……。
「しかし、世継ぎか」
夜伽に世継ぎ。
避けては通れない問題だが、面と向かって質問されたのは初めてだった。
寵愛している妃はいるのか。
もしいるのなら、その妃の誰かに子を産ませる気はあるのか。
そういう妃がいないなら、当然、世継ぎになる子供は正妃胎の方が何かと問題はないこと。
自分と子供を儲ける気はあるのか。
もしあるのならば、早々に閨を共にしなければならないこと。
夜に訪れる時はその日の夕方に先触れがあるのか。
呆気にとられ、まともに答えられなかった。
そんな私に、侍従が代わりに答えてくれたが……。
「まさかあのような質問までされるとは……」
ブランシュの質問内容がどんどんズレ始めていったのだ。
『つまり、オリヴァー様は今のところは夜の生活はないと』
『はい。殿下が後宮に赴くことは現段階では難しいと言わざる負えません。側妃様方の御実家は大変野心家でいらっしゃいますので。下手に誰かを寵愛すれば争いの種になります。そのため、あえて、殿下の夜伽は中断されているのです』
遠回しに妃達の後ろ盾に問題があると言わんばかりの侍従に、私は何も言えなかった。
夜伽を拒否しているのはそんなことではない。個人的な私情ゆえだ。
『そうですか。それでは、現時点で後宮を管理している者はいらっしゃるのでしょうか?』
ここからが本番だった。
ブランシュは、後宮に妃達を管理している存在がいるのかと聞いてきた。
何故、そんなことを聞くのかと侍従が問えば、『後宮の女性達の生活習慣や健康管理、その他諸々をきちんと管理しているものがいるのかをお聞きしたいのです』と言ってきた。
『後宮を管理している者はおりません』
侍従は困った顔でそう言った。
ポーカーフェイスの侍従にしては珍しく動揺していた。
そもそも妃を管理するとはなんだ?
まあ、妃同士での派閥などはあると聞いた事はあるが。ブランシュのいう「管理者」とは、そういう派閥のリーダー的存在を指しているわけではないのは理解できた。恐らく、文字通り「妃達を管理する者」という意味合いだろう。
『いないのですか?』
心底不思議そうに聞いてくるブランシュに、侍従は『はい』と答えた。
これで話は終わるものだとばかり思っていたが、甘かった。
ブランシュはとんでもない事を言いだしたのだ。
気が付いたら寝室のベッドにいた。
「私は一体……」
寝室の天井を見ながら呟く。
ダメだ。
思い出そうとしても靄がかかったみたいに記憶があやふやだった。
ブランシュとの会話をしていて……。
ああ、そうだ。
あれだ。
あの話題を出されたせいだ。
「……夜伽か」
彼女からその話題を出された時、私はどう反応すれば良かったのだろうか。
「分からないな」
ブランシュの事は嫌いではない。
寧ろ好意的に見ている。
しかし、それはあくまで友人としての感情であって男女の関係になりたいという感情ではない。
もっとも彼女からしても、私の寵愛を欲しがっているわけではない。正妃として「世継ぎをどうするのか」ということを具体的に聞きたかっただけだ。それは会話の節々から感じ取ることが出来た。それについては安堵したが……。
「しかし、世継ぎか」
夜伽に世継ぎ。
避けては通れない問題だが、面と向かって質問されたのは初めてだった。
寵愛している妃はいるのか。
もしいるのなら、その妃の誰かに子を産ませる気はあるのか。
そういう妃がいないなら、当然、世継ぎになる子供は正妃胎の方が何かと問題はないこと。
自分と子供を儲ける気はあるのか。
もしあるのならば、早々に閨を共にしなければならないこと。
夜に訪れる時はその日の夕方に先触れがあるのか。
呆気にとられ、まともに答えられなかった。
そんな私に、侍従が代わりに答えてくれたが……。
「まさかあのような質問までされるとは……」
ブランシュの質問内容がどんどんズレ始めていったのだ。
『つまり、オリヴァー様は今のところは夜の生活はないと』
『はい。殿下が後宮に赴くことは現段階では難しいと言わざる負えません。側妃様方の御実家は大変野心家でいらっしゃいますので。下手に誰かを寵愛すれば争いの種になります。そのため、あえて、殿下の夜伽は中断されているのです』
遠回しに妃達の後ろ盾に問題があると言わんばかりの侍従に、私は何も言えなかった。
夜伽を拒否しているのはそんなことではない。個人的な私情ゆえだ。
『そうですか。それでは、現時点で後宮を管理している者はいらっしゃるのでしょうか?』
ここからが本番だった。
ブランシュは、後宮に妃達を管理している存在がいるのかと聞いてきた。
何故、そんなことを聞くのかと侍従が問えば、『後宮の女性達の生活習慣や健康管理、その他諸々をきちんと管理しているものがいるのかをお聞きしたいのです』と言ってきた。
『後宮を管理している者はおりません』
侍従は困った顔でそう言った。
ポーカーフェイスの侍従にしては珍しく動揺していた。
そもそも妃を管理するとはなんだ?
まあ、妃同士での派閥などはあると聞いた事はあるが。ブランシュのいう「管理者」とは、そういう派閥のリーダー的存在を指しているわけではないのは理解できた。恐らく、文字通り「妃達を管理する者」という意味合いだろう。
『いないのですか?』
心底不思議そうに聞いてくるブランシュに、侍従は『はい』と答えた。
これで話は終わるものだとばかり思っていたが、甘かった。
ブランシュはとんでもない事を言いだしたのだ。