悪女と罵られたので退場させていただきます!

11.疑問

 クルクルと日傘を回しながら、私は庭園を散歩していました。
 晴れ渡った空、庭に咲き誇る花々。
 それらを眺めつつ、ゆっくりと足を進めます。
 夜伽と世継ぎの話をして以来、オリヴァー様は私の部屋を訪れなくなりました。
 デリケートな問題なので、オリヴァー様を責めることはできませんが……。
 私の質問に答えていた侍従曰く「皇太子殿下は繊細でいらっしゃる」とのこと。
 繊細、ですか……。
 確かにオリヴァー様は繊細な方なのかもしれません。
 もしくは、あの侍従のような人がオリヴァー様の周りに多いせいかもしれませんが。

「随分と過保護な侍従だったわ」

 皇太子だから過保護だというには少々度を超していました。
 まるで皇太子妃というより、オリヴァー様を何かから守っているかのように見えましたが……。

「考えすぎかしらね」

 オリヴァー様との交流がなくなって早十日。
 何らかのアクションを起こすと思っていたのですが、それもなく。
 私としては次の手を打つ必要があります。

「とはいえ、どうしましょうか?」

「とはいえ、どうしましょうか?」

 うーん、と思考を巡らせていましたが、良い案が思いつきません。

「困りましたわ」

 私としてはさっさと問題解決に向けて動きたかったのですが。

「養子も難しそうですしね」

 皇族の中から優秀な子を養子にすれば問題ないと考えていましたが、それが逆に争いになると侍従に言われてしまったのです。
 考えとしては間違っていないでしょう。
 ただ、私が思っていた以上に皇位を巡る問題は複雑だったようです。
 骨肉の争いはよくあること。

「他に何かありそうなのが第一の問題なのかも……」

 そしてそれは、オリヴァー様の対人恐怖症にも関係があるのでしょう。

「とりあえず、オリヴァー様について調べ直そうかしら」

 ああ、その前に。
 一度、お父様に尋ねてみるべきかしら。
 お父様なら、オリヴァー様のことで何か知っているでしょうしね。
 調査し直すとしてもお父様の判断を仰いでからの方が良いでしょう。
 私は庭園の散策を切り上げ、部屋に戻りました。
 思い立ったが吉日。
 さっそく、お父様宛ての手紙を書きました。
 オリヴァー様のことを手紙にしたためて。
 仕事の早さに定評のあるお父様のことです。
 早急に対応してくださることでしょう。


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