悪女と罵られたので退場させていただきます!

11.言い訳2

「噂の内容の中には、王女殿下が懐妊されているというものもございますわ。それは本当のことなのかしら?」

「なっ、そのような事実はありません!」

 私の発言にフリッド様は慌てて否定しました。

「王女殿下はお身体が弱く、月のモノが遅れることも珍しくありません」

「そうなのですか?」

「はい。今回もそれに違いありません」

「それならば納得できますわね」

「はい」

 力説するフリッド様ですが、これはアウト判定でしょう。
「王女は月のモノが遅れる」、「周期ごとにこない」というのは別に構いません。人によって違いますもの。問題は、何故、そのことを貴男が知っているか、ということです。王女殿下の側付きの侍女でもなければ医者でもない。ましてや、赤の他人の貴男が。
 フリッド様は王女殿下との関係を「幼馴染」と豪語していますが、「男性の幼馴染」ですよ?その意味を理解していませんの?

「心配はまったくありません」

 自信満々に言い切るフリッド様ですが、それはどうでしょう?
 全然説得力はありませんが、虐めすぎるのも可哀想なのでこれくらいにしておきましょう。
 それにしても、王女殿下の妊娠疑惑は根深いような気がします。フリッド様は否定していますが、王女殿下は本当に妊娠しているのかも知れませんね。

「ところで……ブランシュ嬢」

「なんでしょう?」

「この間のお話しなのですが……」

「ああ、あの件ですか。申し訳ありませんが、お断りさせて頂きますわ。私は留学期間が終わり次第、帝国へ帰国いたしますわ」

「そう……ですか」

「ええ。ですから、あまり意味のない忠告かもしれませんが……今のうちに噂を消し去っておくことをお勧めしますわ。ご自身の為にも」

「公爵家も噂を否定して回っているのですが、なかなか上手くいかないようでして」

 そうでしょうね。
 人の噂も七十五日と言いますが、フリッド様とジェニー王女殿下の場合は噂の燃料をその都度投下しているようなもの。鎮火する訳がないでしょうに。根本的な原因を本人達が理解していないのですから。
 
「困ったものですわね」

「はい」

 噂の払拭は難しいでしょう。
 本人とその家が否定したところで「逆に噂は本当のことなのでは?」と疑う人のほうが多いでしょうしね。
 寧ろ、必死になればなるほど「何かやましい事があるのでは?逆に怪しい」と勘繰る人が多いのではないかしら。

 まあ、それはそれで良いのかも。
 私の計画に支障はありませんもの。いいえ、計画通りになるでしょう。
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