悪女と罵られたので退場させていただきます!
13.炎上する噂2
「困った方を婚約者に持ってしまいましたわね。あのような非常識な振る舞いをする男が婚約者だなんて……。本当にお気の毒ですわ。私だったら恥ずかしくて生きていけませんわね」
アーリャナシル帝国に敵愾心を持つ国、ラゴン王国の大使夫人。
彼女は別の意味で私に対して喧嘩を吹っ掛けてきましたわ。
アホな婚約者を持って可哀想にという反面、未来の夫に相手にされない女として、私を見下しにきました。内心、嘲笑っているのでしょうね。嫌な顔ですわ。
「大使夫人、そのような事を声高に仰るものではありませんわ。ここは公の場ですのよ?」
「あら、ごめんなさい。私ったらはしたない真似をしてしまいましたわ。でも、ブランシュ様。貴女の婚約者があまりにも非常識で礼儀知らずなんですもの。思わず本音が出てしまいましたわ」
扇子で口元を隠して笑う大使夫人。その仕草は優雅ですが、目が楽しそうですよ?ポーカーフェイスが下手ですわね。それともワザとかしら?
「ご心配頂きありがとうございます。ですが、私は気にしておりませんわ」
私の反応が意外だったのでしょう。
大使夫人は目を大きく見開いた後、扇子を閉じて私を見据えました。
「あらあら、これは失礼しましたわ。ブランシュ嬢があまりにもお気の毒で……。でも、ブランシュ嬢はお強いのね」
「いいえ、強くなどありませんわ。婚約期間中に何が起こるかなど誰にも分かりませんもの。特に他国のことは。私は外から来た身ですので」
「ええ、分かりますわ。でも、きっと大丈夫。結婚すれば男は落ち着くと言いますしね。先のことなど誰も分かりませんもの。ブランシュ嬢がボルゴーヌ王国に嫁いでくる頃には何もかもが変わっておりますわ」
「ふふっ。大使夫人は面白いことを仰るのですね」
「あら?そうですか?」
「ええ、私は公爵家の一人娘ですのに」
「え……?」
大使夫人は私の言葉が理解できなかったのでしょう。ポカンとした表情をしています。
周囲の人達は「まさか」といった様子で私と大使夫人を見比べていました。
この「まさか」は私を指してはいません。ラゴン王国の大使夫人を指しています。もっとも中には彼女のように勘違いをしている人もいましたが。その人達はボルゴーヌ王国の者達が殆どで、そうでなければ学生くらいではないかしら。
「私がこの国に嫁ぐことはあり得ません。この国の貴族になることは決してありませんので」
「……」
大使夫人の顔色がみるみる青くなっていきます。今更気付いたのでしょうか?
「それでは、ご機嫌よう」
私は、固まってしまった大使夫人に背を向けると「情報は大切ですが、噂に惑わされるのはどうかと思いますわ。大使にも正しい情報をお伝えして頂きたいものですわね」と、彼女だけでなく周囲の人達にも聞こえるように言うと、今度こそ立ち去りました。
後ろで誰かが何かを叫んでいる気がしますが、聞こえない振りをしてその場を後にしました。
歩いていく私に周囲は道を妨げることなく、自然と誰も彼もが道を開けます。まるでモーゼの十戒のようですわね。
ラゴン王国の大使夫人は愚かにも「自分は無知である」と自ら触れ回ったも同然。
彼女は自分の発言がラゴン王国の国益を損なったことを自覚しているのでしょうか? まあ、していないでしょうね。
無知なのはこの国の貴族達も同じ。
私と大使夫人の会話を聞いて顔を真っ赤にして震えていた人が思っていた以上に多かったですわ。
自分の国がどれほどの恥を晒しているのか理解していなかったのでしょうね。自業自得です。
まあ、私にとってはどうでもいいことですけれど。
愚かな大使夫人のお陰で、今後は、私を侮って来る輩も減ることでしょう。
アーリャナシル帝国に敵愾心を持つ国、ラゴン王国の大使夫人。
彼女は別の意味で私に対して喧嘩を吹っ掛けてきましたわ。
アホな婚約者を持って可哀想にという反面、未来の夫に相手にされない女として、私を見下しにきました。内心、嘲笑っているのでしょうね。嫌な顔ですわ。
「大使夫人、そのような事を声高に仰るものではありませんわ。ここは公の場ですのよ?」
「あら、ごめんなさい。私ったらはしたない真似をしてしまいましたわ。でも、ブランシュ様。貴女の婚約者があまりにも非常識で礼儀知らずなんですもの。思わず本音が出てしまいましたわ」
扇子で口元を隠して笑う大使夫人。その仕草は優雅ですが、目が楽しそうですよ?ポーカーフェイスが下手ですわね。それともワザとかしら?
「ご心配頂きありがとうございます。ですが、私は気にしておりませんわ」
私の反応が意外だったのでしょう。
大使夫人は目を大きく見開いた後、扇子を閉じて私を見据えました。
「あらあら、これは失礼しましたわ。ブランシュ嬢があまりにもお気の毒で……。でも、ブランシュ嬢はお強いのね」
「いいえ、強くなどありませんわ。婚約期間中に何が起こるかなど誰にも分かりませんもの。特に他国のことは。私は外から来た身ですので」
「ええ、分かりますわ。でも、きっと大丈夫。結婚すれば男は落ち着くと言いますしね。先のことなど誰も分かりませんもの。ブランシュ嬢がボルゴーヌ王国に嫁いでくる頃には何もかもが変わっておりますわ」
「ふふっ。大使夫人は面白いことを仰るのですね」
「あら?そうですか?」
「ええ、私は公爵家の一人娘ですのに」
「え……?」
大使夫人は私の言葉が理解できなかったのでしょう。ポカンとした表情をしています。
周囲の人達は「まさか」といった様子で私と大使夫人を見比べていました。
この「まさか」は私を指してはいません。ラゴン王国の大使夫人を指しています。もっとも中には彼女のように勘違いをしている人もいましたが。その人達はボルゴーヌ王国の者達が殆どで、そうでなければ学生くらいではないかしら。
「私がこの国に嫁ぐことはあり得ません。この国の貴族になることは決してありませんので」
「……」
大使夫人の顔色がみるみる青くなっていきます。今更気付いたのでしょうか?
「それでは、ご機嫌よう」
私は、固まってしまった大使夫人に背を向けると「情報は大切ですが、噂に惑わされるのはどうかと思いますわ。大使にも正しい情報をお伝えして頂きたいものですわね」と、彼女だけでなく周囲の人達にも聞こえるように言うと、今度こそ立ち去りました。
後ろで誰かが何かを叫んでいる気がしますが、聞こえない振りをしてその場を後にしました。
歩いていく私に周囲は道を妨げることなく、自然と誰も彼もが道を開けます。まるでモーゼの十戒のようですわね。
ラゴン王国の大使夫人は愚かにも「自分は無知である」と自ら触れ回ったも同然。
彼女は自分の発言がラゴン王国の国益を損なったことを自覚しているのでしょうか? まあ、していないでしょうね。
無知なのはこの国の貴族達も同じ。
私と大使夫人の会話を聞いて顔を真っ赤にして震えていた人が思っていた以上に多かったですわ。
自分の国がどれほどの恥を晒しているのか理解していなかったのでしょうね。自業自得です。
まあ、私にとってはどうでもいいことですけれど。
愚かな大使夫人のお陰で、今後は、私を侮って来る輩も減ることでしょう。