悪女と罵られたので退場させていただきます!
19.誕生日パーティー2
「だいたい、婚約者を放置するなんて、どういうつもりよ! 」
それは此方の台詞ですわ。
まったく。
どの口が仰っているのかしら? そもそも、婚約者を放置しているのは、フリッド様の方でしょうに。そうなるように仕向けているのは、ジェニー王女ですよ?自分の行動を棚上げするなんて、なんというブーメラン。
ワーワーと騒ぐ王女に、事態を把握したらしいボルゴーヌ王国の宰相や外交官達が、慌てて王女を止めに来ました。些か対応が遅いです。それとも自国の王女が騒ぎを起こすとは考えなかったのかもしれませんね。
「なによ!離してよ!!」
「ジェニー王女殿下。お止めください」
「うるさい!」
「騒ぎを起こすのはお止め下さい」
「ふざけんな!」
必死に止める宰相達。
彼らも気の毒に。
自国の王女が他国の公爵令嬢の誕生日パーティーで騒ぎを起こすなんて、恥以外の何物でもありません。
このパーティーには各国の外交官達が大勢出席されていますわ。
数日後には、各国で王女の醜聞が広まっているでしょうね。
醜聞、だけで済めば良いですが。
アーリャナシル帝国とボルゴーヌ王国。
この二国の国際的立場と、国力は天と地。
その差は歴然です。
国際問題になって困るのは、ボルゴーヌ王国でしょう。王女を止める宰相達もそのこと理解しているからこそ、必死で止めているに違いありません。
私は、宰相達を応援するように視線を送ると、ボルゴーヌ王国の大使達と歓談を続けました。
「ヴァレリー公爵令嬢、誠に申し訳ない」
ボルゴーヌ王国の宰相達は平身低頭で謝罪をされ、引きずるように王女を連れて会場から出ていかれました。一人、残されたフリッド様もいたたまれなかったのか、私にぺこりと頭を下げた後、ジェニー王女達を追いかけていきました。最後まで王女を諫めることも止めることもしなかったフリッド様。まったく。本当に、何のために来たのでしょう。
「お騒がせしましたわ」
私は各国の大使達へ向き直ると、何事もなかったように微笑みました。
そうして歓談を再開させたのです。
「この件は帝国を通し、正式に抗議を入れてくださいな。それと、これ以上、騒ぎ立て無礼な振る舞いをするのなら、ボルゴーヌ王国との関係を考え直す必要があると付け加えてくださいませ」
パーティーが無事に終わり、私はすぐに帝国大使に抗議文を送るように伝えました。
「よろしいのですか?」
意外でしたわ。
大使のことですから、二つ返事で了承するとばかり思っていましたのに。
「もちろんですわ」
「オーファンラスター公爵子息のことは、もうよろしいので?」
大使の言いたいことは理解しています。
婚約者の彼も抗議の対象になるが、いいのか?という確認でしょう。
「彼は、とうの昔に私の婚約者としての責務を放棄しているではありませんか」
「まだ婚約期間は終了していませんが」
「ええ、そろそろ引導を渡さなくては、と思っておりますの」
彼から頂いた婚約指輪。
それを外したのは随分前のこと。
さすがに捨てることはしていません。
オーファンラスター公爵家が用意した婚約指輪ではなく、フリッド様が自らお選びになった指輪。
私に似合うからと、贈ってくださった指輪。
今はもうそれを身につけていませんが、フリッド様はそのことにも全く気が付かないご様子でした。
パーティーですら、つけていないことに気付かない。
まあ、それだけ私に興味がないのでしょう。
「ヴァレリー公爵は婚約に関して何と?」
「私の好きにすれば良いと言っておりますわ。なので、私、父に『話を進めて欲しい』と手紙に書きましたの」
「なるほど。既にヴァレリー公爵にも話は通しているのですね」
「ええ。帝国もそうですが、ヴァレリー公爵家がなめられる訳にはいきませんもの」
「確かに。では、そのように手配いたします」
「お願いしますわ」
私達はお互いに頷き合いました。
これで、ひとまず安心ですわね。
大使も物凄く良い笑顔でしたもの。
この国の者達の振る舞いには、大使も辟易していたのでしょうね。
それは此方の台詞ですわ。
まったく。
どの口が仰っているのかしら? そもそも、婚約者を放置しているのは、フリッド様の方でしょうに。そうなるように仕向けているのは、ジェニー王女ですよ?自分の行動を棚上げするなんて、なんというブーメラン。
ワーワーと騒ぐ王女に、事態を把握したらしいボルゴーヌ王国の宰相や外交官達が、慌てて王女を止めに来ました。些か対応が遅いです。それとも自国の王女が騒ぎを起こすとは考えなかったのかもしれませんね。
「なによ!離してよ!!」
「ジェニー王女殿下。お止めください」
「うるさい!」
「騒ぎを起こすのはお止め下さい」
「ふざけんな!」
必死に止める宰相達。
彼らも気の毒に。
自国の王女が他国の公爵令嬢の誕生日パーティーで騒ぎを起こすなんて、恥以外の何物でもありません。
このパーティーには各国の外交官達が大勢出席されていますわ。
数日後には、各国で王女の醜聞が広まっているでしょうね。
醜聞、だけで済めば良いですが。
アーリャナシル帝国とボルゴーヌ王国。
この二国の国際的立場と、国力は天と地。
その差は歴然です。
国際問題になって困るのは、ボルゴーヌ王国でしょう。王女を止める宰相達もそのこと理解しているからこそ、必死で止めているに違いありません。
私は、宰相達を応援するように視線を送ると、ボルゴーヌ王国の大使達と歓談を続けました。
「ヴァレリー公爵令嬢、誠に申し訳ない」
ボルゴーヌ王国の宰相達は平身低頭で謝罪をされ、引きずるように王女を連れて会場から出ていかれました。一人、残されたフリッド様もいたたまれなかったのか、私にぺこりと頭を下げた後、ジェニー王女達を追いかけていきました。最後まで王女を諫めることも止めることもしなかったフリッド様。まったく。本当に、何のために来たのでしょう。
「お騒がせしましたわ」
私は各国の大使達へ向き直ると、何事もなかったように微笑みました。
そうして歓談を再開させたのです。
「この件は帝国を通し、正式に抗議を入れてくださいな。それと、これ以上、騒ぎ立て無礼な振る舞いをするのなら、ボルゴーヌ王国との関係を考え直す必要があると付け加えてくださいませ」
パーティーが無事に終わり、私はすぐに帝国大使に抗議文を送るように伝えました。
「よろしいのですか?」
意外でしたわ。
大使のことですから、二つ返事で了承するとばかり思っていましたのに。
「もちろんですわ」
「オーファンラスター公爵子息のことは、もうよろしいので?」
大使の言いたいことは理解しています。
婚約者の彼も抗議の対象になるが、いいのか?という確認でしょう。
「彼は、とうの昔に私の婚約者としての責務を放棄しているではありませんか」
「まだ婚約期間は終了していませんが」
「ええ、そろそろ引導を渡さなくては、と思っておりますの」
彼から頂いた婚約指輪。
それを外したのは随分前のこと。
さすがに捨てることはしていません。
オーファンラスター公爵家が用意した婚約指輪ではなく、フリッド様が自らお選びになった指輪。
私に似合うからと、贈ってくださった指輪。
今はもうそれを身につけていませんが、フリッド様はそのことにも全く気が付かないご様子でした。
パーティーですら、つけていないことに気付かない。
まあ、それだけ私に興味がないのでしょう。
「ヴァレリー公爵は婚約に関して何と?」
「私の好きにすれば良いと言っておりますわ。なので、私、父に『話を進めて欲しい』と手紙に書きましたの」
「なるほど。既にヴァレリー公爵にも話は通しているのですね」
「ええ。帝国もそうですが、ヴァレリー公爵家がなめられる訳にはいきませんもの」
「確かに。では、そのように手配いたします」
「お願いしますわ」
私達はお互いに頷き合いました。
これで、ひとまず安心ですわね。
大使も物凄く良い笑顔でしたもの。
この国の者達の振る舞いには、大使も辟易していたのでしょうね。