悪女と罵られたので退場させていただきます!
25.王女の極秘出産
私とフリッド様との婚約白紙後、暫くして、ジェニー王女の婚約が撤回されたようです。
なんでも、「身持ちの悪い王女など要らぬ」と申されたとか。
さもありなん。
いくら同盟国の王女とはいえ、未婚で妊娠している王女と結婚などできる筈がありません。
まあ、相手側の国も王女のことを色々と調査していたのでしょう。
あれだけ婚約者以外の男性と噂になっているのです。真偽のほどはともかく、調べない訳にはいかなかったのでしょう。
そして、身持ちの悪い王女はお払い箱になった、と。
薄々、怪しんではいたようですが、決め手となったのは私の誕生日パーティーでしょうね。
あのパーティー会場には、王女も元婚約者の国の方々も出席されていましたし。元婚約者の国の大使が報告したに違いありません。
王女の妊娠は事実でしたし、身持ちが悪いのも事実ですものね。
「それにしても、あの王女殿下は、一体どれだけの男性と関係をもっているのかしら?」
私の言葉に反応したのは、側に控えているメイドのサーニャです。
「かなりお盛んだったようです。ご年配の方々は『さすがは、あの側妃の娘だ』と、お噂してました」
ジェニー王女の生母もかなりの問題児だったようです。
「あの側妃に育てられた娘ならば、どんな育ち方をしていても不思議はない」と、ご年配の方々は、今回の一件を納得してらっしゃるようで……。それはそれでどうなのかしら?
側妃に似た問題児になりそうな王女。
それならば、何故、きちんと教育しなかったのかと疑問に思いましたが、国王陛下の寵妃とその娘ということで色々と甘やかされていたようです。
甘やかしすぎた結果、あの王女が出来上がったのですね。
「結局、お腹の父親が誰なのか分からないのでしょう?」
「はい。王家は、オーファンラスター公爵子息に狙いを定めたようです」
「公爵家は、必死で拒絶しているようね」
「はい。王女殿下のお子の本当の父親捜しに躍起になっているようです」
「それはそうでしょうね。血の繋がらない子供を公爵家が認知する訳にはいきませんものね。もっとも王家の狙いはそれでしょうけど……」
責任を全て公爵家に押し付ける魂胆でしょう。
あわよくば、公爵家の跡取りにと望んでいるのかもしれません。
フリッド様は長男ではありませんが、公爵家の嫡出。
王女を母に持つ男児であれば、十分、公爵家の後継者候補です。
まあ、王女を未婚のまま極秘出産させると知った時は驚きましたけど。
あれは数週間前。
『それは本当なの!?サーニャ?』
私は思わず聞き返した程です。
意外なほど情報通、というよりも、何処からその情報を入手しているのか不思議に思うくらい、サーニャの情報は正確なのです。
『はい。ジェニー王女殿下は、現在、乳母の屋敷にいるようです。恐らくですが、そこで極秘出産されるのではないかと』
王宮で軟禁状態になっているという噂はありましたが、いつの間にか、別の場所に移り住んでいたとは。
それを知る者は極僅かなはず。
『産む気なのね……』
『そのようです。既に堕胎できない時期に入っているとか』
ああ、だからですか。
産むしかない、と。
『それにしても王家はこの不始末をどうする気なのかしら?』
同盟国の国王の後添えになるはずだったジェニー王女。
友好の証として嫁ぐ予定だったのに。それもご破算でしょう。他国ながら最悪です。
一部の者達が「好色王の後妻になる可哀想な王女殿下」と、バカでかい声で騒いでいたことを思いだしました。
側妃腹の王女が後添いとはいえ、正妃として嫁ぐ幸運を理解せずに。
まともな感性を持つ貴族は王家から距離を取り始めています。
些か遅い気もしますが、自国の王家ですからね。そう簡単に距離を取ろうとは今まで考えなかったのも仕方ありません。
とはいえ、もう、私には関係のない話。
「さあ、明日には帰国です。準備を急ぎなさい」
「はい。お嬢様」
私は、サーニャに命じました。
留学期間は終わりました。
婚約の白紙と共に。
そうして、私はボルゴーヌ王国を後にしました。
なんでも、「身持ちの悪い王女など要らぬ」と申されたとか。
さもありなん。
いくら同盟国の王女とはいえ、未婚で妊娠している王女と結婚などできる筈がありません。
まあ、相手側の国も王女のことを色々と調査していたのでしょう。
あれだけ婚約者以外の男性と噂になっているのです。真偽のほどはともかく、調べない訳にはいかなかったのでしょう。
そして、身持ちの悪い王女はお払い箱になった、と。
薄々、怪しんではいたようですが、決め手となったのは私の誕生日パーティーでしょうね。
あのパーティー会場には、王女も元婚約者の国の方々も出席されていましたし。元婚約者の国の大使が報告したに違いありません。
王女の妊娠は事実でしたし、身持ちが悪いのも事実ですものね。
「それにしても、あの王女殿下は、一体どれだけの男性と関係をもっているのかしら?」
私の言葉に反応したのは、側に控えているメイドのサーニャです。
「かなりお盛んだったようです。ご年配の方々は『さすがは、あの側妃の娘だ』と、お噂してました」
ジェニー王女の生母もかなりの問題児だったようです。
「あの側妃に育てられた娘ならば、どんな育ち方をしていても不思議はない」と、ご年配の方々は、今回の一件を納得してらっしゃるようで……。それはそれでどうなのかしら?
側妃に似た問題児になりそうな王女。
それならば、何故、きちんと教育しなかったのかと疑問に思いましたが、国王陛下の寵妃とその娘ということで色々と甘やかされていたようです。
甘やかしすぎた結果、あの王女が出来上がったのですね。
「結局、お腹の父親が誰なのか分からないのでしょう?」
「はい。王家は、オーファンラスター公爵子息に狙いを定めたようです」
「公爵家は、必死で拒絶しているようね」
「はい。王女殿下のお子の本当の父親捜しに躍起になっているようです」
「それはそうでしょうね。血の繋がらない子供を公爵家が認知する訳にはいきませんものね。もっとも王家の狙いはそれでしょうけど……」
責任を全て公爵家に押し付ける魂胆でしょう。
あわよくば、公爵家の跡取りにと望んでいるのかもしれません。
フリッド様は長男ではありませんが、公爵家の嫡出。
王女を母に持つ男児であれば、十分、公爵家の後継者候補です。
まあ、王女を未婚のまま極秘出産させると知った時は驚きましたけど。
あれは数週間前。
『それは本当なの!?サーニャ?』
私は思わず聞き返した程です。
意外なほど情報通、というよりも、何処からその情報を入手しているのか不思議に思うくらい、サーニャの情報は正確なのです。
『はい。ジェニー王女殿下は、現在、乳母の屋敷にいるようです。恐らくですが、そこで極秘出産されるのではないかと』
王宮で軟禁状態になっているという噂はありましたが、いつの間にか、別の場所に移り住んでいたとは。
それを知る者は極僅かなはず。
『産む気なのね……』
『そのようです。既に堕胎できない時期に入っているとか』
ああ、だからですか。
産むしかない、と。
『それにしても王家はこの不始末をどうする気なのかしら?』
同盟国の国王の後添えになるはずだったジェニー王女。
友好の証として嫁ぐ予定だったのに。それもご破算でしょう。他国ながら最悪です。
一部の者達が「好色王の後妻になる可哀想な王女殿下」と、バカでかい声で騒いでいたことを思いだしました。
側妃腹の王女が後添いとはいえ、正妃として嫁ぐ幸運を理解せずに。
まともな感性を持つ貴族は王家から距離を取り始めています。
些か遅い気もしますが、自国の王家ですからね。そう簡単に距離を取ろうとは今まで考えなかったのも仕方ありません。
とはいえ、もう、私には関係のない話。
「さあ、明日には帰国です。準備を急ぎなさい」
「はい。お嬢様」
私は、サーニャに命じました。
留学期間は終わりました。
婚約の白紙と共に。
そうして、私はボルゴーヌ王国を後にしました。