悪女と罵られたので退場させていただきます!

31.帝国大使side

 皇帝陛下から「暫し待て」との連絡を受けて、三ヶ月が経とうとしていた。
 すぐに動かれるものと思っていたので些か拍子抜けしてしまったが、今は違う。明らかに、皇帝陛下は()()()()()()()()

 月日が経ち、王女が極秘出産したと密偵から報告があった。
 それから一週間も経たない内にジェニー王女が亡くなった。
 葬儀はなく、王家から「死んだ」と発表されただけ。
 また、王女は王家から除籍された故に「葬儀は不要」との返答があった。

「どういうことだ?」

 出産して死んだということだろうか?
 分からん。
 情報が少なすぎる。
 そもそも産んだ子供はどこだ?

 混乱したのは私だけではなかった。

 この国の貴族達は私以上に混乱していた。
 社交界では死んだ王女のことで持ちきりだった。

「ジェニー王女が亡くなったという発表ですが……やはりご出産で……?」

「分からない。だか、出産は命がけだ。そうなるのだろうか……?」

「だが、なぜ葬儀もなく除籍を?」

「やはり、未婚のまま子供を産んだからではないか?」

「それこそ今更だろう。王女殿下を除籍するならばもっと早くすべきだぞ」

「……それが原因では?」

 社交界では様々な憶測が飛びかった。
 中には国王が王女とその子供を手にかけたのでは……という噂もあった。
 そんな馬鹿な、と思う反面、否定しきれない自分がいた。
 あの国王には前科がある。
 娘が死んだというのに落ち込むこともなく、逆に「やっと死んだか。これで憂いは絶った」とばかりに晴れ晴れとした表情をしている。
 国王は王女の死を喜んでいるようにも見えた。
 ……いや、実際そうなのだろう。

「もしや国王陛下は……」

「側妃様の件もあるしな」

「ジェニー王女も……」

 寵愛を失った王女。
 国王陛下は政略の駒にならなくなった王女を邪魔に思い始めたのではないか。
 だから、王女を密かに始末したのではないのかという噂が社交界では囁かれていた。
 あの国王ならばやりかねないとの思いもあった。

 今回の騒動を機に帝国の影響下に置くことができたのは大きな収穫だ。
 これで帝国内に蔓延っていた反帝国派の連中を一網打尽にすることができる。
 王国は暫くの間は混乱が続くだろう。
 私としては願ったり叶ったりだが、これから益々忙しくなることが予想される。

 皇帝陛下から指示も出たことだしな。

 早々に、あの国王を退位させるとしよう。
 その声も日々増えていることだし、容易いことだろう。

「大使、お時間です」

「ああ、今行く」

 さて、忙しくなるぞ。


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