悲しいくらいに青い空が、夜に溶けるまで
第十六話 手紙を渡す瞬間:心の鍵
【手紙を渡す瞬間:心の鍵】
新しい生活の拠点となるマンションに到着し、二人で荷物を運び入れる。
まだ家具もまばらな、けれど陽光がたっぷりと差し込む明るい部屋。
ひと段落ついたところで、私はコートのポケットから、ずっと握りしめていた「しわくちゃの手紙」を取り出した。
「これ……駅で待ってる間に、何度も読み返してたの。本当は、会えなかったら置いて帰ろうと思ってたんだけど」
少し照れくさくて、私はそれを彼の手のひらに押し付けた。
キミ君は「何これ、ラブレター?」とおどけて見せたけれど、手紙のしわと、私の指の震えを見て、すぐに真剣な表情になった。
彼はその場で、ゆっくりと手紙を広げた。
一文字一文字を飲み込むように読み進める間、部屋には沈黙だけが流れる。
読み終えた彼は、ふぅと深い息を吐き、手紙を大切に折り畳んで胸のポケットにしまった。
「これ、一生の宝物にするね」
彼は私を優しく引き寄せ、耳元で囁いた。
「……俺も、間違いメールを送ったあの日の自分を褒めてやりたいよ。あの日、間違えてなかったら、今のこの幸せはなかったんだから」
新しい生活の拠点となるマンションに到着し、二人で荷物を運び入れる。
まだ家具もまばらな、けれど陽光がたっぷりと差し込む明るい部屋。
ひと段落ついたところで、私はコートのポケットから、ずっと握りしめていた「しわくちゃの手紙」を取り出した。
「これ……駅で待ってる間に、何度も読み返してたの。本当は、会えなかったら置いて帰ろうと思ってたんだけど」
少し照れくさくて、私はそれを彼の手のひらに押し付けた。
キミ君は「何これ、ラブレター?」とおどけて見せたけれど、手紙のしわと、私の指の震えを見て、すぐに真剣な表情になった。
彼はその場で、ゆっくりと手紙を広げた。
一文字一文字を飲み込むように読み進める間、部屋には沈黙だけが流れる。
読み終えた彼は、ふぅと深い息を吐き、手紙を大切に折り畳んで胸のポケットにしまった。
「これ、一生の宝物にするね」
彼は私を優しく引き寄せ、耳元で囁いた。
「……俺も、間違いメールを送ったあの日の自分を褒めてやりたいよ。あの日、間違えてなかったら、今のこの幸せはなかったんだから」