総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
そして数秒後。
その場に立ち尽くしたまま、私は瞬きを繰り返した。
「………………え……?」
脳内で、今までの会話が一気に繋がる。
さっきの叶兎くんの言葉。
桜の含みのある視線。
「……そういう……こと……?」
身も心も、全部。
それって、つまり——。
理解した瞬間、顔に一気に熱が集まった。
「……“卒業したし”って……そういうことかぁ……っ」
──あの時の言葉。
“卒業するまでは…って思ってたけど、胡桃が足りないって言うなら遠慮しないよ?”
“俺達のペースで進んでいけばいい。…あ、でも、卒業したら…待たないからね?”
本当に、待ってくれてたんだ。
普段の距離感に安心しきっていて、
全部、冗談半分みたいに受け取ってた。
いや、そうだよね。
こんなに、ずっと、待たせてるんだもん。
心臓が、どくどくとうるさい。
顔も熱すぎる。
……どんな顔して、部屋に戻ればいいの。
いっそ、気づかないままの方が良かったかもしれない、なんて思いながら。
恐る恐る部屋に戻ると、同じくお風呂を済ませた叶兎くんがソファに座って待っていた。