総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
♦︎2人の甘い夜
間接照明だけがついた室内は、いつもより少し暗くて静かで。
その分、彼の存在感だけがやけにくっきりと浮かび上がって見える。
視線が合った瞬間、心臓が大きく跳ねた。
「胡桃」
「は、はいっ…!?」
思わず、変な声が出た。
肩がびくっと跳ねて、身体が強張るのが自分でも分かる。
……い、いつもどうしてたっけ、私。
普通にしてればいいだけなのに、今日はそれができない。
意識しないわけがなくて、胸の奥がそわそわして、落ち着きどころを失っていた。
「緊張しすぎ」
そう言って、叶兎くんは小さく笑う。
うう、だって……っ
逆に、なんでそんなに平然としていられるの…!
「おいで」
叶兎くんは立ち上がって、ベッドに腰を下ろし、両手を広げた。
……えっと。
一瞬、膝の上に座るべきなのかそれとも隣なのか、判断できずに迷っていると、叶兎くんは何も言わずにそのまま腕を伸ばしてきた。
「わっ…!」
軽く引かれて体勢を崩したまま、気づけば正面を向いたまま膝の上に乗る形になってしまう。
ち、近いっ…
叶兎くんが私の背中に腕を回して、抱き寄せる。
それだけで体温がじんわり伝わってきて。
ただ抱きしめられているだけなのに、心臓の音がうるさくて仕方なかった。