総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
やがてふっと小さく息を吐いて、それ以上追求するのをやめてくれた。
代わりに、温かい掌が私の頭をぽんと撫でる。
「……ま、何かあったら俺がどうにかするし。悩んでることがあるなら、なんでも言ってね?」
「……うん、ありがとう」
曖昧に笑って頷いたけど、胸の奥の棘は抜けないままだった。
……言い出しづらいとはいえ、こんな、隠し事してるのよくないよね。
「で、合同訓練の話だけど…」
私が答えないのを分かってか、叶兎くんは空気を変えるように言う。
「胡桃にも指名が入ってるんだよね」
「……………え。私??」
まさかの言葉に、持っていたフォークを落としそうになる。
「胡桃を訓練に? ……正気なのそれ。胡桃はただの人間でしょ」
時雨くんが顔を険しくして身を乗り出した。
「俺だって反対してるよ。実戦形式の訓練だし何があるかわからない」
「能力の使いすぎは体に毒。最近は安定してるとはいえ、訓練なんかに消費すべきじゃない」
二人の会話がどんどん深刻になっていく。