総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
確かに、ここ最近は能力を使う機会は減っていた。
……というより、みんなが私を守って使わせないようにしてくれていた。
一気に使わなければあまり負担はない、と思うけど…。
朝食の皿はすっかり冷めていて、桜がおろおろと心配そうに私たちを見守っているけど、口を出せるような雰囲気じゃない。
ふと、叶兎くんが真剣な瞳で私を見た。
「…ただ、胡桃がどうしたいかは聞いておこうと思って。」
訓練に出れば、能力を使うことになるだろう。
使いすぎが良くないことは分かっているし、周りは全員吸血鬼。
人間の私なんかがその中で訓練だなんて、そもそもついていけるのか。
………でも、私ももっと強くなりたい。
「……出たい、って言ったら……叶兎くん怒る?」
恐る恐る尋ねると、叶兎くんは一瞬だけ目を細めた。
そして、ふっと肩の力を抜いて微笑む。
「怒らないよ。ただ——」
身を乗り出し、私との距離を極限まで詰めた。