総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「条件がある。俺も同行する。」
「……まあ、そうなるよな」
時雨くんが呆れたように呟く。
私はぱっと顔を上げた。
「い、いいの?」
叶兎くんのことだから、絶対ダメ、って言ってくると思ってたのに。
「俺としては、ハンターなんかと関わらせたくないし、自分から危険に飛び込んでほしくはないけど。……胡桃がどうしても『やりたい』って言うなら、俺はサポートするよ。胡桃宛に正式な要請が来てるのも事実だし…」
「叶兎くん…!ありがとう」
叶兎くんが来てくれるなら、それこそ心強い。
「お前、何だかんだ甘いよね」
「時雨。うるさい。」
でも、ハンターとの合同訓練ってことは。
もしかして琥珀も…?
なんとなく顔を合わせづらくて、私は少しだけ不安になった。
その時、控えめなノックの後に扉が開いた。
視線を向けると、執事さんが恭しく一礼する。
「失礼いたします。本日付で特殊警備隊よりお一人、こちらに着任される方がお見えです。」
「……あー、今日か」
叶兎くんは短く応じ、時雨くんは「着任? 誰だ?」と不思議そうに眉を寄せた。