総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「──触んないでくれる?」
聞き慣れた涼やかな声が響き、私の前に誰かが割って入った。
淡い金髪が、街灯の光を反射してきらりと光る。
「……な、なんだお前。関係ないだろ。」
絡んできたハンターが苛立たしげに声を荒らげる。
けど、私の前に立つ背中はびくともしなかった。
「好きな子が絡まれてたら誰だって見過ごせないと思うけど?」
「……っ、」
その言葉に、心臓が跳ねた。
頭がふわふわしていて、状況がよく飲み込めないけど……今、天音くんが助けに来てくれたことだけは分かった。
「聞こえなかった?消えろって言ってんの」
男が舌打ちして逃げるように中へ戻っていった。
天音くんはしばらくその背を見送ってから、ゆっくり振り返る。
「なに一人で飲んでんの。酒弱いくせに。」
呆れたような、でも優しい声。
ふらつく私の腕を、天音くんはそっと支えてくれた。
「…っと、危なっ。どんだけ飲んだの、これ一杯だけ?」
「……ぅ、ん……」
正直に白状すると、天音くんは深い溜息をついた。