総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「……胡桃。」
しゃがみ込んだまま、震える手で胡桃の小さな両手を包み込む。
夜風に晒されて冷えきった指先、微かに漂う酒の匂い、涙で濡れた長い睫毛。
「……知りたい?」
今の俺には、もう綺麗に取り繕う余裕なんて一ミリも残っていなかった。
「……俺がどんな気持ちで胡桃のこと見てるか。……聞いたら多分、引くよ。」
「……え?……引く…って、何の話…?」
胡桃が戸惑ったように瞬きをする。
包み込んだ手に、思わず力が入った。
一度、強く唇を噛む。
言うな、と理性が叫んでいる。
『こんなドロドロした本音を晒したら、全部終わるぞ』と警鐘を鳴らしている。
「………こんなに「欲しい」と思ったのも、「失いたくない」って必死になったのも…初めてなんだよ」
でも、もう止められなかった。
「…胡桃が欲しい、胡桃の1番になりたい、他の誰でもない俺だけを見て欲しい、俺だけのものにしたい…」
ずっと心の中にいる、重たすぎる感情。
言葉は止まらなかった。
堰を切ったように、溜め込んでいたものが溢れ出す。