総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
きっと、琥珀の言う事は正しい。
そしてハンターが持つ最新技術と、琥珀個人の能力を合わせれば、嘘を吐くメリットもない。
ちら、とみんなの顔色を伺ってみるけど、なんとも言えない表情をしている。
……でも、戦力が増えるならその方がいい、よね。
「………琥珀はハンターだし、皆からしたら信用出来ないかもしれないけど…私は、手を組んでもいいと思う。」
私がそう言うと、みんなが目を丸くして私を見た。
時雨くんが静かに、諭すような声で聞く。
「……本気で言ってる?」
「おー、意外なところから援護射撃」
琥珀は確かに何を考えているか読めないし、手放しで「味方だ」とは言えないかもしれない。
でも…大学の図書館で出会ってから今までの琥珀を見てきて、やっぱり、私なりに思った。
琥珀はハンターだけど…悪い人じゃない、って。
“「嫌いなのは、人間に害をなす奴、理性を失った化け物……俺が排除するのはそれだけ。……ま、全員信頼はしてないけどね」“
琥珀はあの時そう言ってたし、信頼してないだけで、吸血鬼全員を嫌ってる訳じゃない。
彼は、理由もなく私たちを傷つけるような人じゃない。
「…今は、一刻も早く叶兎くんを助けたい。もし、対吸血鬼の設備があの場所に揃っているんだとしたら…人間で戦える琥珀が仲間になってくれるのは大きいと思う。」
長い、重苦しい沈黙。
やがて時雨くんは、諦めたように深く長い溜息をついた。
「……胡桃がそう言うなら。ただし、叶兎の救出が最優先。いい?」
「いいよいいよ、それで。俺は外部協力者ってことで」
それからお互いの情報を共有し合い、作戦会議が夜明けまで続いた。