総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
White love 8

♢君が好きだから






※吸血鬼というコンセプトと敵の設定の都合上、本章から先には今まで以上の流血表現や精神的に負荷のかかる描写が含まれる可能性がございます。苦手な方はご注意ください。








【叶兎side】





──男が刺した注射の中身が体内に流れ込んだ瞬間。



「……っ、ぐ──」



最初は、頭痛だった。


こめかみの奥を重い鉄球で何度も殴打されるような、鋭くて、逃げ場のない痛み。

それが心臓の鼓動に合わせて、一拍ごとに強くなっていく。



「大丈夫大丈夫。死にはしないから。たぶんね」



男の、どこか他人事のような声が耳の奥で反響する。



「……お前、何をっ…」



問い返そうとしたけど、まともな声にならなかった。


喉が焼けるように熱い。

全身が内側から引き裂かれるような感覚。


血管の一本一本が脈打つたびに、何か得体の知れないものが血流に乗って流し込まれてくるのが分かった。



「あ、ぁ……がっ……」



視界が明滅する。

赤、白、黒……色が勝手に混ざり合い、ぐちゃぐちゃに暴れ回る。


いつの間にか手足の感覚が消えていた。

手首に食い込む拘束具の冷たさも、床の硬さも、もう何も分からない


代わりに押し寄せてきたのは……情報と記憶の、凄まじい奔流だった。


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