総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ



これを伝えるべきか……。

一瞬、ためらいが生まれた。



本人に伝えたところで何の意味がある。

それにあいつは、今こんな本極秘情報を扱える立場にないことは分かっている。



もし、事故だと思い込んでいた死が「仕組まれた殺人」だったと知ったら…。



「……いや。」



合理的に考えろ、俺。

感傷で動くな。



この情報が本物なら、四年前に迷宮入りした未解決事件の構図が根底からひっくり返る。



それだけじゃない…あの赤羽叶兎をさらって合成血を打った狂った研究者と過去の事件が、太い線で繋がっている証拠になる。



「…………ひとまず今は、ネットで炎上してる動画の件が先」



連絡するのは、今すぐじゃなくていい。

まずは今起きている危機を脱するのが最優先だ。


俺はスマホをデスクに放り出すと、頭を切り替えるように大きく息を吐き、再び回収してきた大量の資料の解析へと没頭していった。










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