総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ

そして──


──バンッッ!


お腹の底に響くような、鋭い銃声が辺りに鳴り響いた。



「……っ、!? いまの、銃声……!?」



思わず足が止まる。


見ると、猛スピードで走っていた暴走吸血鬼の足元の地面が正確に撃ち抜かれ、火花が散っていた。

動きを制限するための、あまりにも見事な精密射撃。



特警の銃じゃない……じゃあ、ハンター……!?



硝煙が漂う視線の先、通りの中心に、黒髪の青年が冷徹な表情で拳銃を構えて立っていた。


──琥珀だ。


琥珀は振り返りもせず、周囲のハンターの隊員たちに向けて鋭い指示を飛ばす。



「南側のルートの封鎖はまだ? 遅すぎるんだけど。一般人に被害が出たらどうすんの」



いつものおちゃらけた雰囲気は一切なく、その横顔は冷酷なプロのハンターそのものだった。

そして琥珀はゆっくりとこちらに気づき視線を向け、私と、その隣に毅然と立つ叶兎くんの姿を見付ける。



「あ、」



琥珀の口から、小さく声が漏れた。


その声に敵意は含まれておらず、ただ淡々と、そこに私たちがいるという事実を確認しただけ。

だけど……彼の周囲を取り囲むように展開していた他のヴァンパイアハンターたちの目は、明らかに違っていた。



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