総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「この街も、吸血鬼のみんなのことも、
ちゃんと守れるトップになりたいって思ってる」
その視線はまっすぐで、すごくかっこよくて。
「1人じゃなくて、胡桃と一緒に」
そう言ってくれることが、何より嬉しかった。
「うんっ!」
私は、繋いだ手を握り返す。
…そのときだった。
──ガシャン!!と。
遠くの方で、ガラスが割れるような音がした。
…明らかに、日常では聞かないような音。
一瞬、通りの空気が揺れる。
通りの向こうで人の流れが止まり、
ざわ、と嫌なざわめきが広がっていく。
「……?」
視線が、自然と同じ方向を向く。
叶兎くんを見ればその目が、仕事の顔に変わっていて。
「胡桃」
「うん。行こう」
そう言って、
私たちは同時に、音のした方へ足を向けた。