総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「じゃあ胡桃ちゃん、こっち来て。アルバム見せてあげる」
「アルバム?」
「そうそう。小さい頃の叶兎、可愛いのよ〜?」
可愛い、のところがやけに強調されていた気がする。
「やめろって……」
叶兎くんが低くボヤいて小さく抗議するけど、華恋さんはまったくのお構いなしで私の手を引いてリビングのソファへと案内して、そのまま三人でソファに並んで座る。
テーブルの上にドカンと置かれたアルバムは、思っていた以上に分厚くて、大切に保管されてきた年月を感じさせる重厚感があった。
ぱらり、と1ページ目がめくられる。
「わ…………かわいい……!」
思わず素の歓声を漏らしてしまった。
そこに写っていたのは、今よりずっと背が低くて幼い男の子。
けれど、意志の強そうな瞳だけは、今の叶兎くんそのものだった。
「でしょ〜?」
華恋さんが満足そうに頷く。
ページをめくると、次は家族写真。
ご両親や凛ちゃんに囲まれて、カメラに向かって照れくさそうに、でも嬉しそうに微笑む幼い叶兎くんの姿があった。
「あ、これ」
華恋さんが指差したのは、また別の一枚。
女の子二人に挟まれて、なぜか不機嫌そうな顔をした幼い叶兎くん。