総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「叶兎って昔からクラスの女の子にやたら囲まれてたのよね〜。本人は全然嬉しくなかったみたいだけど」
「……何でこんな写真取ってあんの…」
叶兎くんはまたむっとしながら講義しているけど、華恋さんの昔話は止まらない。
「だって可愛いじゃない。ほら見て、この子たちが手をつないであげようとしても、全部バッて振りほどいてたのよ? 『女は嫌いだ』とか『俺は一生誰も好きにならないし、結婚もしない』な〜んて言ってててさぁ」
……ああ。
初対面の頃の叶兎くんを思い出す。
無愛想に距離を取って、誰にも踏み込ませない感じ。
うん、想像できるな……。
そう思っていた、そのとき。
「まあ、胡桃以外の女に興味ないし」
さらりと呟かれた言葉と同時に、叶兎くんの指先が私の肩にそっと触れた。
そのまま自然な動作でぐっと引き寄せられ、気づけば私は、ソファの背もたれと叶兎くんの胸の間に半ば抱き寄せられるような体勢になっていた。
えっ…!
心臓が、どくん、と鳴った。
華恋さんの視線が、その距離感に一直線に刺さる。