総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「とりあえず、ここからは各々探そうか」



広い図書館の本棚を眺めながら、時雨くんが言った。


──契約の原型
──人間と吸血鬼の初期共存例
──能力暴走に関する過去事例


気になる項目はいくらでも出てくる。


棚から棚へと移動しながら目に留まる本を次々と手に取っていくうちに、気づけば腕の中は分厚い本でいっぱいになっていた。



「……ちょっと、持ちすぎたかも……!」



バランスを取りながら歩いているけど視界は完全に本で塞がれていて、前がよく見えない。

でも、今は一冊でも多く手がかりになりそうなものを集めたくて。



次の瞬間だった。



「──っと!」



前から誰かが走ってきたのが分かった時には、もう遅かった。



どんっ。


と軽く衝撃があって、腕の中の本が一斉に床へ散らばる。

ぶつかった音よりも大きな音が図書館に響いた。



「わっ……!?」



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