総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「あ、うん!大丈夫」


振り返って答えると、男の人は時雨くんをちらっと見てから、また私に視線を戻す。


「友達?」

「うん」


そう答えると、特に深く突っ込むこともなく、



「そっか、じゃあ邪魔して悪かったね。俺、今レポート期限ピンチだから。もう行くね!」



軽く手を振って足早に去っていった。

なんだったんだろう……?



「……今の人知り合い?」



時雨くんが言う。



「ううん。ぶつかって、本落としちゃったから拾ってもらってただけ」



そう答えながら、私は無意識に彼が去った方向を見ていた。



「ふうん……。ただの、大学生にしては……」

「時雨くん?」



難しい顔をしていた時雨くんの名前を呼ぶと、はっとしたようにこちらを見る。



「なんでもない。……あ、じゃあ俺奥の閲覧室も見てくるから、何かあったらすぐ呼んで」

「うん…?わかった!」






< 70 / 78 >

この作品をシェア

pagetop