総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「あ、うん!大丈夫」
振り返って答えると、男の人は時雨くんをちらっと見てから、また私に視線を戻す。
「友達?」
「うん」
そう答えると、特に深く突っ込むこともなく、
「そっか、じゃあ邪魔して悪かったね。俺、今レポート期限ピンチだから。もう行くね!」
軽く手を振って足早に去っていった。
なんだったんだろう……?
「……今の人知り合い?」
時雨くんが言う。
「ううん。ぶつかって、本落としちゃったから拾ってもらってただけ」
そう答えながら、私は無意識に彼が去った方向を見ていた。
「ふうん……。ただの、大学生にしては……」
「時雨くん?」
難しい顔をしていた時雨くんの名前を呼ぶと、はっとしたようにこちらを見る。
「なんでもない。……あ、じゃあ俺奥の閲覧室も見てくるから、何かあったらすぐ呼んで」
「うん…?わかった!」