箱入り令嬢ですが恋がしたいのです〜選ばれなかった御曹司に溺愛されて結婚します〜
「今日このあと所用ができましたのでお休みさせてください」
上司にそう連絡を入れて本社を出た。よく晴れた午後は日差しが眩しいほど。目の前に視線をやるとその光に吸い込まれそうで目を細めた。
眩しい世界がある。それは目を逸らしたいほど。
そして彼女はそんな眩しい世界でずっと生きていくのだろう。それが巳波財閥の一人娘として生まれ落ちた日から決まっていることだ。
自分のミスで知ってしまった事実、その現実から起きた結果だろう。ただ、この辞めると決断したのは彼女の意志なのか? 責任感の強い彼女が仕事を投げ出すとは思えない。だからこそこれはただの退職ではなく連行のようなものにちがいない。巳波家が彼女を社会から切り離し、意志を奪おうとしている。そしてそのまま兄のような野心の塊に差し出されるのか? 俺はそれだけはどうしても我慢できない。
泣きながら俺の前を去っていた彼女。あの後ろ姿が脳裏に焼きついている。
――約束してやった。好きなものを一緒に探してやりたいって。
あの日思った気持ち、それは薄れることはなく日ごと膨らむようで。毎日そばで働く彼女を愛おしく思った。あの笑顔を見られるなら俺に出来ることをしてやりたいと。それがたとえ傲慢な気持ちだとしても……もう、彼女を泣かせたくない。
上司にそう連絡を入れて本社を出た。よく晴れた午後は日差しが眩しいほど。目の前に視線をやるとその光に吸い込まれそうで目を細めた。
眩しい世界がある。それは目を逸らしたいほど。
そして彼女はそんな眩しい世界でずっと生きていくのだろう。それが巳波財閥の一人娘として生まれ落ちた日から決まっていることだ。
自分のミスで知ってしまった事実、その現実から起きた結果だろう。ただ、この辞めると決断したのは彼女の意志なのか? 責任感の強い彼女が仕事を投げ出すとは思えない。だからこそこれはただの退職ではなく連行のようなものにちがいない。巳波家が彼女を社会から切り離し、意志を奪おうとしている。そしてそのまま兄のような野心の塊に差し出されるのか? 俺はそれだけはどうしても我慢できない。
泣きながら俺の前を去っていた彼女。あの後ろ姿が脳裏に焼きついている。
――約束してやった。好きなものを一緒に探してやりたいって。
あの日思った気持ち、それは薄れることはなく日ごと膨らむようで。毎日そばで働く彼女を愛おしく思った。あの笑顔を見られるなら俺に出来ることをしてやりたいと。それがたとえ傲慢な気持ちだとしても……もう、彼女を泣かせたくない。