Bella Notte
1番になりたくて
あれから、東京へ無事帰ってきた。
 桜井は撮影で地方に飛ばなくてはならなくなったと、アッサリと空港で別れて少し拍子抜けしたけど。

 周りにいつ気づかれるかと気が気じゃない身としては少しだけホッとした。
 飛行機を降りてから、文乃のメッセージをひらいた。
 
『ぐだぐだ言わずに、桜井と幸せに』
 
 迷っている今を見抜かれているかの様な有無を言わせない文面。

 しばらくは桜井と会う暇もなく、自分もフライトで海外へ飛ばなくてはならない。
 余分に休みをもらった分、スタンバイも含めるとハードスケジュール。


 ぼんやりと考えながら、お風呂上がりのスキンケアをしていると、スマホのメッセージアプリのお知らせベルが鳴る。
 通知画面にHARUーはるーの文字が見えた。

 久しぶりにハルから連絡が来た、と嬉しくなって画面をタップした。


『久しぶり、結婚する事になったよ。式は日本でするんだけど、来てくれる?』

 前置きも何もなく、いきなりぶっ込んでくるハルは全く変わらず。
 思わずスマホを取り落としそうになった。

『帰るのは、12月初旬だからその時にまた連絡するね』

 あの屈託のない笑顔で言葉を放つ様子を想像しながら、色々聞きたい衝動を指に込めた。

『話はその時に』

 で締めくくられた。

『とりあえず、おめでとうって言わせて。会えるの楽しみ』

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