Bella Notte
 流石に顔写真が拡散される事はないけど、いつそうなるのか不安が尽きない。

『文乃の自宅に集合ね。どうせ家の中に閉じこもってるんでしょ』
 文乃から騒動を聞いたらしいハルがかなり強引に誘ってくれてる。

『ハル、私が楓を迎えに行くから明後日会おう』
 文乃がすかさずメッセエージを送ってきて。久しぶりに親友3人が揃うのだから会いたいに決まってる。
『うん、行くよ、絶対』

 数日後、ほとんど自宅から出ずに引きこもっていた甲斐あって、今以上に個人情報が広まることは無かった。

 というのも、桜井が会見を開いて記事は全くのでたらめと釈明し。
 これ以上追及するのなら法的手段をとらなくてはならない、と裏から手を回したようだった。

(よかった、桜井はちゃんと夢を追いかけていくんだ)

 騒動は一旦は落ち着いたけれど、これからのキャリアをもう一度見直す良い機会になった。

 すでに転職活動を始めており、今務めている会社に退職したいと伝えてある。

『今夜は、18時過ぎに迎えに行くね』
 文乃からメッセージが送られてくる。
『大丈夫、近くだしタクシーで行けるから』

 さっとシャワーを浴びて、着替えてメイクする。
 ただそれだけのいつもの身支度が、とても新鮮に思えるのはここ1週間サボっていた証拠。
(これからまた、始めればいい)

 タクシーに乗って文乃のタワーマンションへ。
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