Bella Notte
 「それって、俺の事が大切で好きだって事でしょ」

 愛が溢れる視線で絡めとられて身動きができない。
 そうして優しく唇にキスを落とされて。
 もう抗うことが出来なくて、瞳を閉じて……。

 大きな腕に優しく包まれて、優しい口づけに翻弄される。
 だんだん息が上がってお互いの吐息が熱くなり。

 「答えて、楓」
 息を少し切らしながら甘い吐息交じりにでそう促される。
(もう、嘘をつけない)

 「……好きだよ。大好き」
 そういって真っすぐに応えた。
 ますます激しく抱きしめられて、全身を辿る桜井の愛。
 天窓から降り注ぐ月光に包まれながら2人、甘い夜に落ちていった。

 生まれて初めて、満たされる心と体。
 波が砕ける音と共に聞こえる言葉たち。

 もう、この幸せを知らなかった頃には戻れないという切なさとそれを超える幸せな気持ち。

 シーツの間の情熱に揺れる瞳で捉えられると心臓が掴まれる様に切なく軋む。

 熱い指先を絡めながら。

 「楓、愛してる」

 そう言って優しく微笑まれると、涙が溢れた。
 優しく腕の中に抱きしめられて2人の距離がもっと近づく。

 「……優斗……」
 震える声でそう呼ぶと、とびきり甘い視線で見つめられ優しいキスが落とされる。

 揺れる視界の中切なそうに歪む表情を見ていたいのに、そんな余裕はすぐになくなっていく。
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