Bella Notte
 言われた通りにそちらを向けば、息を切らしてこちらを見遣る優斗がそこにいる。

 思わず嬉しさに瞳が潤み、腕の中に飛び込んだ。
 少し驚いた様子の優斗が優しく応えてくれる。

 「来てくれるって思ってなかった」

 そう言うと、微笑みながら。
 「見送りくらいさせてよ。またしばらく会えなくなるんだし」
 少しだけ拗ねたように見下ろしてきた。

 「日本へフライトする事もあるから、その時はちゃんと連絡するし」

 そうは言ってもこれからは遠距離恋愛、少しづつそれが実感できる。

 「楓、俺も会いに行くから。絶対」

 プロポーズの日、もう1つの約束を交わした。
 いつか、2人で故郷の美しいあの海と暖かな人達に会いに行くと。
 その時は結婚式を挙げようって。

 大きな窓からたくさんの光が差し込んで、楓の薬指に輝くアクアマリンのエンゲージリングを優しく包んでいた。

 そっと優しいキスを交わして微笑みながら――――。


























 

 
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