Bella Notte
 どこへだって行けそうな、なんだってできそうな素敵な気持ちで一杯。
 世界が輝いて見える。

 いつの間にか逞しくなった、桜井の肩を掴みながら。

 そう、思えた。

 試合開始前にバックネット裏の席を確保する事ができた。
 ベンチには井川くんがいて。

 すぐに気づいて手を振ると、井川くんが爽やかな笑顔で手を振って答えてくれて。

 もう心臓が高鳴りすぎて、目眩がする。

 ふらついた私を支えてくれた桜井にお礼を言って、少しだけ落ち着きを取り戻す。

 練習試合なのに結構観客がいて、保護者や私たちと同じ学校の子もちらほらいる。

 何故か、私と桜井の方をチラチラ見て騒いでいる様子。

(また、何か噂にならないといいけど)

 すっかり忘れていたけれど、桜井はモテすぎるし目立ちすぎるから2人でいる所はあまり見せないようにしていたと思い出した。

 今はそんな事はどうでもいいくらい、井川くんが気になりすぎて、どうしようもない。

 今日の対戦相手は、市内でも強豪と言われている学校、しかも全国大会出場の常連校。
 対する我が校は、弱小と名高いチームで……。

 練習試合とは言え、何故この対戦カードが組まれたのか謎。
 今日の試合は先発投手で井川くんが投げるらしい。

 練習もたくさん頑張ってたの見ていた。
 きっと、この試合も勝てる……はず。

< 36 / 196 >

この作品をシェア

pagetop