Bella Notte
 大丈夫、アンタこそそんな嫌味言えるんなら思ってたより平気なんだね。

 と心の中で返して、顔に着いたペンキをさっさと拭い続きに取り掛かる。

 今年の文化祭のテーマは『輝き』。

 命、夢、青春そして友情の輝きだそうだ。
 クラス代表の実行委員に半ば強制的に推薦され、桜井も同じく。そうして2人で看板を作成しているのだ。

 作成といっても美術部が下書きしたものに指定のペンキを塗るだけ。

 これが地味な作業だけど中々大変で。
 綺麗にムラなく塗ろうと思うと気が抜けない。

 他の実行委員は備品の手配やしおり、チラシづくり、募金の集計、各部との連携などとても忙しそうだ。

 茶道部の準備に行きたいけれど、こちらの手が離せず、さっき部長にお詫びしてきた。

 部長はとても良い人で、心良く送り出してくれた。

「だれか、廃材を持っていって。」

 先程から一際忙しく働いている委員長が背中越しに声をあげる。

「はい。岡山と桜井が行きます。」

 桜井に巻き込まれる。
 ヤツがじっと私を見るのでため息をついて視線で、分かったわよ。と答える。

「ペンキが足りないので、今日はここまでで看板の製作を終わります。委員長、追加発注をお願いします。これがリストです。」

 桜井がいつの間にか作ったリストを手渡す。
 遊んでるようで要領良く仕事するんだよね。そこは本当に尊敬してしまう。

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