Bella Notte
「分かったありがとう。じゃ、よろしく。岡山さん、重いけど大丈夫?良かったら他の男子に頼むけど。」

 男前な委員長の言葉に思わず笑顔になり、うなずきそうになった。

「オレがこっちもつから、楓はコレ」

 軽そうなものだけ渡される。

「さすが桜井君。じゃ、後はよろしくね。」

 感心した顔をして委員長が去っていく。

「ったく、楓はバカ力だから大丈夫だっつの。」

 なんて小声で悪態をつきながらも重い物を持ってくれる桜井。
 なんだかんだいい所もあるよね。でも素直にお礼なんて言ってあげないから。

「はいはい、どうせバカ力ですよー。」

 と思い切り舌を出す。

「ブハッ、不細工」

 って盛大に笑われた。
 久しぶりに桜井が笑ってる。表の王子様スマイルじゃなくていつもの桜井の笑顔。

 廃材置き場までの遠い道のりを他愛もない話をしながら歩く。

 周りの桜井ファンからの視線が時々痛いけれど、あまり気にしないようにして念のため少し離れて歩く。

 すると少し前を歩いていた桜井が振り向いてきた。

「そう言えば、井川と上手くいってんの?」

 爆弾を投げつけてくる。
 途端に顔が熱くなって、何も言えなくなる。

「今はちゃんとお友達だよ。」

 やっと返せた。
 桜井は笑いを噛み締めているようで肩が小刻みに震えている。

「お前なぁ、あれだけお膳立てしてやったのに、お友達って。」
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