ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

歪んだ心

 雨の音が静かに響くなか、まるで世界に二人きりのような空間。

 私は、先生に確かめられている。
 その意図がわからないまま。
 頭がぼうっとして、体がじんわり熱くなっていくのを感じていた。

 その時、先生の手が、私の輪郭をなぞるように触れた。

「それはだめです!」

 完全に油断していた。
 まさか、そんなことにはならないと。
 あの先生が、そこまでする人ではないと信じていた。

「……じゃあ、なんでここまで許したの?」

 その言葉に、私は何も返せなかった。
 先生は、まるで私の心の奥を見透かすように、そっと深く、私の境界を揺らしてきた。

 体の奥に、波紋のような衝撃が広がる。
 驚きと戸惑いで、思わず変な声が漏れた。

「お前、こんなに素直なのに……なんで隠すの?」

 恥ずかしい。
 頭の中はぐちゃぐちゃなのに、身体は、先生を拒みきれなかった。

 最初は慎重に──でも次第に強く揺さぶってくる。
 私は、心の奥が何かで満たされていくような錯覚を覚えた。
 その瞬間、意識がふっと遠のきそうになって、気づけば呼吸が荒く、体から力が抜けていた。

「先生……どうして……こんなこと……」

 自然と、涙が溢れていた。

「……わからない」

 先生も、どこか戸惑ったような表情をしていた。

 こんな男、もう二度と会いたくない。
 嫌いになりたい。

 なのに——

 どうしてそんな目で、私を見るの?

 その後、先生は何も言わずにその場を離れ、静かに立ち去っていった。

 残されたのは、私の中に残る熱と、先生の唇と手の感触だけだった。
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