傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
好きで好きで、大好きで。

だからこそ別れた名取くん。


わたしの胸がまたキュンと反応する。


この場にいる招待客たちからの注目を一身に浴び、堂々と挨拶する名取くんの姿は…やはりわたしには遠い存在に感じる。

一時でもあの隣にいたことが、今となっては夢のよう。


わたしはそんなことを考えながら、会場の端から人混みに紛れて名取くんを見つめていた。


「パパ〜!名取グループの御曹司、かっこよすぎない!?」


愛理さんが名取くんを見てはしゃいでいる。


「愛理。あとで挨拶にこられたら、結弦くんに顔と名前を覚えてもらいなさい」

「そうよ。愛理のかわいさなら、きっと結弦さんも気に入られるわ」


お父さんも由美さんも愛理さんも、あわよくばと考えているのだろうか。


「これはこれは、富士川社長」

「ご無沙汰しております」


そんな声が聞こえて振り返ると、ふたりの中年男性がお父さんに話しかけにきた。

どちらもこのパーティーに招待された、富士川電機と取り引きのある会社社長のようだ。


「紹介します。妻の由美と娘の愛理です」


お父さんからの紹介に、由美さんと愛理さんは愛想よく会釈をする。
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