傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
できることなら、わたしもそんな人生を歩んでみたかった。

恋して、それなりに仕事して、休みの日には友達と遊んで。


――でも、そんな望みはとうに諦めた。


わたしは、父の小坂茂雄(しげお)とお母さんの季絵(きえ)との間に生まれたひとり娘。


しかし両親は、わたしが5歳のときに離婚。

原因は、お母さんの度を超えた浪費と不倫。


お母さんに愛想を尽かしたお父さんは、わたしを引き取ることもなくひとり家を出ていった。

それからというもの、わたしたちはギリギリの生活を強いられた。


お母さんはろくに仕事もせずに酒を飲み、アルコール依存症にまで陥った。

そして体を壊して病気になり、去年亡くなった。


気づけば、明日が一周忌だ。

お母さんに会いにいくというよりも、同じ墓で眠る祖父母に会いにいこうかな。


そんなことを考えながら、向こうに駅が見える橋の上を歩いていると――。


「こんばんは〜」


やけに耳につく猫なで声にわたしは寒気がした。

振り返ると、スーツ姿の大柄な男と細身の男が立っていた。


やたらとにやけるこのふたりは、ヤミ金業者。
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