傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
わたしは名取くんに手を引かれてベッドから起き上がった。


「車はエントランスに手配しておくから。好きに使って」


名取くんもネクタイを整えると、わたしを部屋の入り口まで送り出す。


「じゃあ…帰るね、名取くん」

「ああ。気をつけて」


ノブを握り、わたしはゆっくりドアを開けた。


「澪」


名取くんに名前を呼ばれて一度振り返る。

名取くんは微笑んでいるも、その表情はどこか切なげだ。


「今夜限りじゃなくて、また会いたい」


そのストレートすぎる言葉がわたしの胸に刺さり、ドキッとした。


わたしも名取くんと再会できてうれしかった。

まるで昔に戻ったみたいで。


でもやっぱり、名取くんの存在は日陰で生きるわたしには眩しすぎた。


わたしは返事をすることも頷くこともせず、そっとドアを閉めたのだった。
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