傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
お父さんの追求に、わたしは口ごもる。

それだけは……言えない。


「まさか、だれの子かわからないとでも言うんじゃないだろうな…?」


お父さんは不審そうな視線を向ける。

しかし、なにも言おうとしないわたしを見て深いため息をついた。


「…見損なったぞ、澪。…相手がだれかすらわからないなんて」


お父さんは、完全にわたしのことを疑っている。


でも、これでいいんだ。

この子がだれの子かさえ知られなければ。


そう思っていた、――そのとき。

突然病室のドアが開いて、名取くんが神妙な面持ちをして立っていた。


…そうだ。

名取くんが病室の外にいたんだった。


「ああ、すまない結弦くん。ずっと待たせてしまっていたね」

「結弦さん、ごめんなさいね。まだちょっと取り込み中で」

「申し訳ございません。聞くつもりはなかったのですが、外まで声が漏れていて…」


もしかして、名取くんに聞かれてしまった…?


すると、ここぞとばかりに愛理さんが名取くんにすり寄った。


「そうなんですよ〜!澪さん妊娠されてるようなの。しかも、結婚もしてないのにひとりで生み育てるつもりらしくて!」
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