13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。
「乙部美澪さん、失礼します」
少ししてドアが開き、女性の声がした。
顔を覗かせたのは看護師だった。
「良かった。意識が戻られたんですね」
「はぁ……」
「会社で気を失って倒れていたのを、警備員さんが見つけてくれたんですよ。気分はどうですか?」
「……良くはないです」
「ですよね。血圧と体温を測らせてもらいますね」
声のトーンを落として柔らかい口調で話してくれる。看護師はテキパキと作業しながら「綾瀬と言います」自己紹介をしてくれた。小柄でぱっつんの前髪に、低めの位置でポニーテールをしている。女から見ても可愛らしいという印象を持つ。
その綾瀬の背後に立ったまま覗き込んでいるのが、きっと担当医なのだろう。
(うっ……カッコよすぎる)
目が合った瞬間、心臓が飛び跳ねた。さっきまで虚だった視界が、驚きのあまり澄み渡るほどの衝撃だ。決して濃い顔立ちではないが、切れ長の目に細い鼻梁、白い肌はきめ細かくて手入れが行き届いている。例え真夏でも汗なんてかかないんじゃないかと思うような、涼しい印象の人だった。
胸許の名札には『海堂』と書いてある。要するに、美澪が運ばれたのは海堂総合病院で、この人はその海堂院長の息子というわけだ。
(こんな人が担当医なんて、どんな顔で喋れば良いのか分からない)
焦って目が泳ぐ。
「血圧も体温も大丈夫ですね。お腹、空いてませんか?」
「え、お腹……?」
呟いた瞬間、盛大に腹の虫が鳴る。個室に響き渡る音に、綾瀬が思わず声を出して笑った。
しかし海堂はというと、表情一つ変えやしない。ただでさえ恥ずかしいのに、反応がないというのは更に羞恥心が増す。口角を上げるくらいしてくれても良いじゃないか。
綾瀬が「直ぐに準備しますね」と言いながら、退室してしまった。
少ししてドアが開き、女性の声がした。
顔を覗かせたのは看護師だった。
「良かった。意識が戻られたんですね」
「はぁ……」
「会社で気を失って倒れていたのを、警備員さんが見つけてくれたんですよ。気分はどうですか?」
「……良くはないです」
「ですよね。血圧と体温を測らせてもらいますね」
声のトーンを落として柔らかい口調で話してくれる。看護師はテキパキと作業しながら「綾瀬と言います」自己紹介をしてくれた。小柄でぱっつんの前髪に、低めの位置でポニーテールをしている。女から見ても可愛らしいという印象を持つ。
その綾瀬の背後に立ったまま覗き込んでいるのが、きっと担当医なのだろう。
(うっ……カッコよすぎる)
目が合った瞬間、心臓が飛び跳ねた。さっきまで虚だった視界が、驚きのあまり澄み渡るほどの衝撃だ。決して濃い顔立ちではないが、切れ長の目に細い鼻梁、白い肌はきめ細かくて手入れが行き届いている。例え真夏でも汗なんてかかないんじゃないかと思うような、涼しい印象の人だった。
胸許の名札には『海堂』と書いてある。要するに、美澪が運ばれたのは海堂総合病院で、この人はその海堂院長の息子というわけだ。
(こんな人が担当医なんて、どんな顔で喋れば良いのか分からない)
焦って目が泳ぐ。
「血圧も体温も大丈夫ですね。お腹、空いてませんか?」
「え、お腹……?」
呟いた瞬間、盛大に腹の虫が鳴る。個室に響き渡る音に、綾瀬が思わず声を出して笑った。
しかし海堂はというと、表情一つ変えやしない。ただでさえ恥ずかしいのに、反応がないというのは更に羞恥心が増す。口角を上げるくらいしてくれても良いじゃないか。
綾瀬が「直ぐに準備しますね」と言いながら、退室してしまった。