色褪せて、着色して。~黒薔薇編~
「というわけで、トペニ、スズメ。今から、スペンサー侯爵家の騎士団の見学に言ってきてちょうだい」
 戻って来た私は意気揚々と2人に言った。

 トペニとスズメは黙ってお互いの顔を見合わせた。
「それは…どういう経緯で?」
「だって、ここに長期滞在していても暇でしょ。だから、見学してみてもいいかなって。本当は私も見学したかったけど。女性は立ち入り禁止なんだって」
 ゴリラ男がなんでもします…と言ったので。
 騎士団の見学をしたい…と思い付きで提案した。

「あのお…エアー様」
 不安げな表情でスズメが私を見る。
「パイセン。行きますよ!」
 スズメの言葉を遮ってトペニが玄関に向かった。

 スズメはいつだって、自信なさそうに脅えている。
 もっと、堂々としてもよさそうなのに。
「エアー様」
 トペニとスズメがいなくなった後。
 台所にいたバニラがやって来た。
「お気をつけたほうがよろしいかと」
「え、何を?」
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