色褪せて、着色して。~黒薔薇編~

ヒサメ先生からのプレゼント

 とはいえ、勢いでエース様の願いを引き受けてしまったわけで。
 トペニとスズメに説明したら複雑そうな…いかにも「面倒臭い」という文字が顔面から伝わってきた。

 騎士見習いのことは、申し訳ないけどトペニたちに丸投げして。
 私は、ヒサメ先生からのプレゼントなるものを受け取ることにした。

 スペンサー侯爵から教えられて驚いたのだが。
 私が退屈しないように、ヒサメ先生が国中のピアニストを集めてくれたらしい。
 約3ヵ月間、日替わりでピアニストたちから教えを乞うわけになったのだけど。
「…21人もいるの?」
 スペンサー侯爵からもらったピアニストの一覧表には21名。
 上は71歳から下は11歳。
 全員男。
 国中から来ているので。
 遠くから来ている人は、街のホテルに滞在してもらうわけだけど。
 全部の費用をまるっと込みでヒサメ先生が出してくれるとか。
「わくわくしますわね」
 側でバニラが言った。
「うーん…」
 こういうとき、ポジティブシンキングのバニラを心から羨ましいと思った。
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