色褪せて、着色して。Ⅵ~黒薔薇編~
 この国に来てから、本当に次々と色んな事が起こる。
 ハガネとナオミとの出会いは最悪だったけど。
 結果としては良い思い出なのだと思う。

 見覚えのある風景が見えてくると。
 私はベールを外した。
「マヒル様、失礼します」
 バニラが私の髪の毛に触れ。
 目の前を手のひらで左右に動かした。
「これで。元通りの姿ですわ」
「ほんと、妖精の力って便利だねえ」
 気づけば、茶髪に茶色い瞳に変身していたバニラも。
 元のピンクの髪の毛、赤い瞳に戻っていた。

 馬車が止まって。
 扉が開くと。
「あのう…知らない騎士が家の前にいるんですけど」
 遠慮がちにスズメが言ったので、「ええー、また呼び出し?」と表情を崩した。
 スズメの手を借りて。
 馬車から降りて。
 家の前を見ると。
 懐かしい人が立っていたので「ひゃあ」と声が出た。
 自分の家だというのに。
 律儀に私たちのことを待って。
 家の前で立っている。

「おかえりなさい、セシルさん」

 久しぶりに会う太陽様は。
 呼び名の通り、太陽にまぶしい笑顔で。
 待ってくれていたのだった。


つづく・・・
< 68 / 68 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:4

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

色褪せて、着色して。Ⅸ~クレマチス編~

総文字数/7,253

ファンタジー9ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【マヒル】 この物語の主人公。 ピアニスト。 美人だが、誰かに容姿が似ているせいで、 苦労しがち? 【ヒサメ】 マヒルのピアノの先生。 元・国家騎士。 現在はピアノを弾いたり、作曲をしている。 訳あって顔を隠している。 【バニラ】 マヒルの侍女。 実は妖精で、とんでもなく強い。 【太陽】 マヒルの夫。 国家騎士で国王の側近。
名探偵は活躍しない

総文字数/47,833

その他77ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【逢坂まりあ】 主人公。高校2年生。 逢坂財閥の娘。 超お金持ちのお嬢様。 並ならぬ記憶力の持ち主。 父の言うことは絶対だと思い込んでいる。 【逢坂次郎太】 まりあの養父。 現当主の弟。 美しいものが大好き。 【逢坂桜子】 まりあのいとこ。高校2年生。 逢坂財閥、当主の娘。 超お金持ちのお嬢様。 自由奔放で、 まりあに言わせると。 余計な一言が多い。
色褪せて、着色して。Ⅷ~スノードロップ編~

総文字数/21,717

ファンタジー34ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
スノードロップの花言葉を知っていますか? 一つは、希望。 一つは・・・・・・。 【マヒル】 主人公。 金髪碧眼、自他ともに認める美人。 ピアニスト。 【太陽】 マヒルの夫。 国家騎士であり、国王の側近。 仕事が多忙すぎて常に家には居なかったが…? 【スズメ】 マヒルの護衛。 根っからの真面目。 【トペニ】 マヒルの護衛。 元罪人。 チャラいのと、あえて空気を読まない男。 【オーロラ姫】 ???

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop