完璧美人の私が恋したのは、眼鏡オタクのSEでした
1. 美人総務、PCに敗北する
優希は夜遅くまで残業していた。
白石優希 三十三歳
グローバル・ホールディングス
ITセキュリティ部門 SE
(システムエンジニア)
終電まで、あと十分。
駅へ向かう近道を選んだ。
夜気は冷たく、街灯がぼんやり見える。
(まずいな……)
スマートフォンで時間を確認した、
その瞬間だった。
「――ひったくり!
誰か! 泥棒!!」
甲高い悲鳴。
視線を上げると、
中年の女性がよろめきながら
立ち尽くしている。
足元には散らばった買い物袋。
次の瞬間、
自転車に乗った男が、
女性のバッグを掴んだまま、
勢いよく走り去ろうとした。
「……お!」
優希の身体が、
考えるより先に動いていた。
「待て!」
叫びながら、走り出す。
靴が地面を打つ音。
距離は、思ったより近い。
白石優希 三十三歳
グローバル・ホールディングス
ITセキュリティ部門 SE
(システムエンジニア)
終電まで、あと十分。
駅へ向かう近道を選んだ。
夜気は冷たく、街灯がぼんやり見える。
(まずいな……)
スマートフォンで時間を確認した、
その瞬間だった。
「――ひったくり!
誰か! 泥棒!!」
甲高い悲鳴。
視線を上げると、
中年の女性がよろめきながら
立ち尽くしている。
足元には散らばった買い物袋。
次の瞬間、
自転車に乗った男が、
女性のバッグを掴んだまま、
勢いよく走り去ろうとした。
「……お!」
優希の身体が、
考えるより先に動いていた。
「待て!」
叫びながら、走り出す。
靴が地面を打つ音。
距離は、思ったより近い。
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