完璧美人の私が恋したのは、眼鏡オタクのSEでした
4. 昼休みの“秘密の動画”
休日の午後。
里桜は、自室のソファに座り、
ネイル用のライトを指先に当てていた。
(やっとオフ……)
淡いピンク。
少しだけラメを入れて、
気分を上げる。
そのときだった。
——ブブッ。
スマートフォンが震える。
(……げ)
画面に表示された名前を見て、
里桜は、はっきりと眉をひそめた。
(元カレ……
もう、タイミング最悪)
ため息をつきながら、
一応、短く返す。
《なに?
忙しいんですけど》
すぐに返信が来た。
《前に言ってたやつ》
《最新のポップスと
アイドルのコンサート動画》
《あるけど、欲しい?》
里桜の目が、
ぴくっと動く。
(……いる)
《いるいる》
即答だった。
《じゃあ駅前で会わない?》
(……めんどくさ)
正直な感想。
里桜は、
元カレの顔を思い浮かべる。
——どちらかといえば、美男子。
——でも、パチンコ。
——ギャンブル。
——金遣いが荒い。
それで、別れた。
《今日は会う気ない》
《疲れてる》
少し間があってから、
また通知。
《そっか。残念》
《じゃあポストに入れとくよ》
《USBにコピーした》
《パソコンに挿して見てみて》
《レアものだから
絶対面白いと思う》
(……勝手だな)
そう思いながらも、
完全に拒否するほどの気力はなかった。
《わかった》
短く返して、
スマホを伏せる。
数日後。
仕事から帰ると、
ポストの中に、
小さな箱が入っていた。
白くて、
やけに綺麗な箱。
中には、
新品みたいなUSBメモリー。
(……これか)
里桜は、
少しだけ首を傾げた。
(わざわざ、
こんな立派な箱?)
でも、深く考えない。
興味のほうが、
勝っていた。
「……まあ、
昼休みにでも見てみよ」
そう呟いて、
USBをバッグにしまう。
——このときは、まだ知らなかった。
この小さなメモリーが、
自分の毎日を、
大きく揺さぶることになるなんて。
里桜は、
ただ次のネイルの色を考えながら、
何気ない顔で、その夜を終えた。
里桜は、自室のソファに座り、
ネイル用のライトを指先に当てていた。
(やっとオフ……)
淡いピンク。
少しだけラメを入れて、
気分を上げる。
そのときだった。
——ブブッ。
スマートフォンが震える。
(……げ)
画面に表示された名前を見て、
里桜は、はっきりと眉をひそめた。
(元カレ……
もう、タイミング最悪)
ため息をつきながら、
一応、短く返す。
《なに?
忙しいんですけど》
すぐに返信が来た。
《前に言ってたやつ》
《最新のポップスと
アイドルのコンサート動画》
《あるけど、欲しい?》
里桜の目が、
ぴくっと動く。
(……いる)
《いるいる》
即答だった。
《じゃあ駅前で会わない?》
(……めんどくさ)
正直な感想。
里桜は、
元カレの顔を思い浮かべる。
——どちらかといえば、美男子。
——でも、パチンコ。
——ギャンブル。
——金遣いが荒い。
それで、別れた。
《今日は会う気ない》
《疲れてる》
少し間があってから、
また通知。
《そっか。残念》
《じゃあポストに入れとくよ》
《USBにコピーした》
《パソコンに挿して見てみて》
《レアものだから
絶対面白いと思う》
(……勝手だな)
そう思いながらも、
完全に拒否するほどの気力はなかった。
《わかった》
短く返して、
スマホを伏せる。
数日後。
仕事から帰ると、
ポストの中に、
小さな箱が入っていた。
白くて、
やけに綺麗な箱。
中には、
新品みたいなUSBメモリー。
(……これか)
里桜は、
少しだけ首を傾げた。
(わざわざ、
こんな立派な箱?)
でも、深く考えない。
興味のほうが、
勝っていた。
「……まあ、
昼休みにでも見てみよ」
そう呟いて、
USBをバッグにしまう。
——このときは、まだ知らなかった。
この小さなメモリーが、
自分の毎日を、
大きく揺さぶることになるなんて。
里桜は、
ただ次のネイルの色を考えながら、
何気ない顔で、その夜を終えた。