丘の上の小さな 美容室
それはさておき、追いつかれてなるものか、と全力疾走し、丘を駆け上がり鞄から鍵を取り出そうとしたところでとうとう美織に捕まってしまった。
後ろから羽交い締めのように抱きしめられ、頬に手を添えられ横向きにされると、美織の唇があたしの口を喰らうように吸ってきた。
息ができないほどの深いキスに、あたしの鼓動は早くなり、腰に力が入らなくなる。
キスに翻弄されていつの間にか正面を向いて抱きしめられていて、やっとキスが終わると、美織が蕩けた目で、表情で、あたしを魅了する。
「深青」
「なによ……」
「帰りましょう」
「……」
「深青」
「……」
息も絶え絶え、返事ができないでいると、美織はあたしのおでこにキスをして、真っ直ぐに熱のこもった視線を向けてきた。
「俺はいつだって深青ひとすじで、深青にしか本気で愛を注ごうとは思いません。これからも、この先も」
「あたしだって、そうよ」
きゅ、と唇を噛むと、噛むなと言うようにちゅ、と軽くキスをされた。
「はい。そうですよね。でも、俺に似ているからって少しでも気を抜いたら駄目ですよ」
あたしは驚き美織を見上げる。
「わかってて、わざと拗ねてたの?」
「甘えさせてくれる深青が可愛くて。でも、まさかここまで怒らせてしまうなんて思いませんでした。反省しています」
しゅん、と項垂れる美織に、あたしも素直に謝った。
「あたしも、離婚なんて言ってごめんなさい」
「肝が冷えました。ショックで身体が動かなくて、すぐに迎えに行けなくてすいません。探しきれなくて、恵と千紗さんに連絡してしまいました。でも、先に恵に見つけられるなんて……悔しすぎます」
「そうね。先に見つけてほしかったわ」
「お詫びに、珈琲、淹れますから。クッキーもあります」
あたしが頷くと、美織はポケットから鍵を取り出しドアを開けた。中に入るとキッチンに向かう美織に、あたしは後ろから抱きついてお腹の下にすっと手を伸ばす。
「先に、仲直りしたいわ」
「っ、はい。喜んで」
あたしを軽々と抱き上げ、美織は意気揚々と寝室へと向かった。
翌日、あたしは千紗から居酒屋に誘われ洗いざらいこの痴話喧嘩の内容を話し、酒の肴にされた。
後ろから羽交い締めのように抱きしめられ、頬に手を添えられ横向きにされると、美織の唇があたしの口を喰らうように吸ってきた。
息ができないほどの深いキスに、あたしの鼓動は早くなり、腰に力が入らなくなる。
キスに翻弄されていつの間にか正面を向いて抱きしめられていて、やっとキスが終わると、美織が蕩けた目で、表情で、あたしを魅了する。
「深青」
「なによ……」
「帰りましょう」
「……」
「深青」
「……」
息も絶え絶え、返事ができないでいると、美織はあたしのおでこにキスをして、真っ直ぐに熱のこもった視線を向けてきた。
「俺はいつだって深青ひとすじで、深青にしか本気で愛を注ごうとは思いません。これからも、この先も」
「あたしだって、そうよ」
きゅ、と唇を噛むと、噛むなと言うようにちゅ、と軽くキスをされた。
「はい。そうですよね。でも、俺に似ているからって少しでも気を抜いたら駄目ですよ」
あたしは驚き美織を見上げる。
「わかってて、わざと拗ねてたの?」
「甘えさせてくれる深青が可愛くて。でも、まさかここまで怒らせてしまうなんて思いませんでした。反省しています」
しゅん、と項垂れる美織に、あたしも素直に謝った。
「あたしも、離婚なんて言ってごめんなさい」
「肝が冷えました。ショックで身体が動かなくて、すぐに迎えに行けなくてすいません。探しきれなくて、恵と千紗さんに連絡してしまいました。でも、先に恵に見つけられるなんて……悔しすぎます」
「そうね。先に見つけてほしかったわ」
「お詫びに、珈琲、淹れますから。クッキーもあります」
あたしが頷くと、美織はポケットから鍵を取り出しドアを開けた。中に入るとキッチンに向かう美織に、あたしは後ろから抱きついてお腹の下にすっと手を伸ばす。
「先に、仲直りしたいわ」
「っ、はい。喜んで」
あたしを軽々と抱き上げ、美織は意気揚々と寝室へと向かった。
翌日、あたしは千紗から居酒屋に誘われ洗いざらいこの痴話喧嘩の内容を話し、酒の肴にされた。