冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

その夜。ベッドでスマホを見ると、華恋さんからメッセージが届いていた。

【あなたの不安、的中したでしょう?
契約の話、まだ出ないのよね。
それが答えよ。早く目を覚まして】

「……っ」

スマホを持つ手が震え、画面が滲む。

華恋さんの言う通りなのかもしれない。

湊は、まだ何も言ってくれない。

さっきも何か言いかけて、口を閉ざしてしまった。

どうして? 私のそばにいたいって、思ってくれてるんじゃないの?

私は、枕に顔を埋めた。

窓の外には、冬の星空が広がっている。

答えは、まだわからない。

でも、一つだけ確かなことがある。

このままでは、不安で押しつぶされそうだということ。

湊に、聞かなければ。

契約のこと、契約終了後のこと。そして、本当の気持ちを。

そう決心した、その時。隣から、微かな物音が聞こえた。

壁一枚隔てた向こう側――湊はまだ、起きているのだろうか。

ベッドから起き上がり廊下に出ると、湊の部屋のドアから光が漏れている。

ノックしようとして、手が止まる。

やっぱり、怖い。答えを聞くのが怖い。

私は、自分の部屋に戻った。

ベッドに倒れ込み、天井を見つめる。

明日こそ、勇気を出して聞いてみよう。湊の本当の気持ちを。

そう心に決めて、私はゆっくりと目を閉じた。
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