冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

「紗良が自分の家のために、好きでもない相手と無理やり一緒になったんじゃないか。そう思って、ずっと胸が痛んでいたんだ」

父が私の手を取る。

「でも今、お前たちを見ていると――本当に愛し合っているのがわかるよ。父親として、これ以上の幸せはない」

父の目に、涙が浮かぶ。

「湊くん、娘を……紗良をよろしく頼むよ」

「はい」

湊が私の手を、強く握りしめた。

「紗良のお母さんも、きっと喜んでいるな」

父の言葉に、私の目頭が熱くなる。

私たちが歩んできた三ヶ月は、始まりこそ歪だったかもしれない。

けれど、彼の手の温もりと父の笑顔。それが、今の私にとっての真実だった。

「これからも、二人で支え合っていくんだぞ」

「はい」

声を揃えて答える私たちを見て、父が満足げに頷く。

「よし。それじゃあ、私も早く退院できるように頑張るか」

その言葉に、私たちは笑顔になった。



病室を出た後、湊が周りを気にせず私の手を強く握りしめた。

「……認められた。お前の父親に、ようやく認めてもらえたんだな」

湊の声は、震えるほどの喜びに満ちていた。

「これから、お前のことをもっと幸せにしてみせる。紗良……歳をとって、髪が白くなっても、ずっと一緒にいよう」

「もちろんです。ずっと、あなたの隣が私の居場所ですから」

冬の澄んだ夜空には、数えきれないほどの星が輝いている。

私たちの未来も、あの光のように、決して消えることなく輝き続ける。

繋いだ手の熱さを感じながら、私はそう確信していた。
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