冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

黒いコートに白いシャツ、ダークグレーのパンツ。シンプルだけど、完璧に着こなしている。

「おはよう」

湊が、私を見て微笑む。

「おはようございます」

「……可愛い」

その一言に、耳まで熱くなる。

「さあ、行こう」

湊が差し出した手を取り、私たちは自宅を出た。



マンションのエントランスには、黒い高級車が停まっていた。

湊が助手席のドアを開けてくれる。

車に乗り込むと、柔らかい革のシートが体を包む。

「どこに行くんですか?」

「それは、着いてからのお楽しみ」

湊がいたずらっぽく笑う。

車は、都心を抜けて高速道路に入った。

窓の外には、冬の気配を脱ぎ捨てたばかりの青空が広がっている。

一時間ほど走ると、車は徐々に懐かしい静寂に包まれていった。

ビルが後退し、豊かな緑が視界を占める。

見覚えのある風景に、まさかと思った瞬間――車は古い住宅街に入っていく。

そして、ある門の前で止まった。

「ここって……」
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