冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

都心に戻ると、車は高級ホテルの前に停まった。

「今夜は、ここで過ごそう」

湊が、車を降りて助手席のドアを開けてくれる。

フロントで手続きを済ませると、スイートルームの鍵を渡された。

エレベーターで最上階まで上がり、部屋の前に着くと、湊がカードキーをかざした。

部屋に入ると――。

「わあ!」

広いリビング。大きな窓からは、東京の夜景が一望できる。

そして、部屋中に薔薇の花びらが散りばめられている。

「これ……」

「今朝、手配しておいた」

湊が、頬を緩める。

「気に入ってくれたか?」

「はい、すごく」

窓辺に歩み寄ると、眼下には無数の光が煌めいている。

湊が、背後から私を抱きしめた。

「紗良」

その低い声が、私の鼓動を加速させる。

「……ずっと、こうしたかった」

湊の吐息が、首筋にかかる。

「お前が欲しい。本当に、お前を俺のものにしたいんだ」

その言葉に、全身が熱くなる。

「私も……湊が欲しいです」

かすれた声で応えると、湊の腕に力が込められた。

静かに体を回転させられ、正面から湊と向き合う。

「紗良……」

唇を重ねられ、すぐに湊の舌が私の唇を割って入ってくる。

深く、貪るようなキス。

あの夜――バーで出会った夜のキスは、どこか遠慮がちだった。

でも、今は違う。確かな愛情で、私の全てを受け入れてくれている。
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