冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
銀座のブティック街は冬の陽射しに照らされ、年末らしい華やかさに包まれていた。
「この辺りは、あまり来たことがなくて……」
私が呟くと、湊が私の手に触れた。
「これから、慣れていけばいい」
その手の温もりに、安心する。
湊が向かったのは、通りから少し入った場所にある、控えめな佇まいの店だった。
だが、扉を開けた瞬間に理解した。
かつて、高嶺の娘として通っていたあの店と同じ――選ばれた者しか足を踏み入れることのできない、本物の高級店なのだと。
「桐生様、お待ちしておりました」
スタイリストの女性が、優雅な所作で私たちを迎える。
すでに予約済みで、店内は貸切状態になっていた。
「今日は、パーティー用のドレスを」
「かしこまりました。いくつかご用意しております」
案内された個室には、すでに何着ものドレスが用意されていた。
深い赤、エメラルドグリーン、シャンパンゴールド、そして深いネイビー。どれも、美しい。
「片っ端から試してみろ」
湊が、ソファに腰を下ろす。
「気に入ったものは、全部買う」
「全部って……」
「ああ。お前を綺麗に飾るのは、俺の特権だからな」
そう言って、湊は私を見つめる。
その視線には、独占欲のようなものが宿っていて、私は頬が熱くなるのを感じた。